+++悠理嬢の場合+++


2004年2月〜3月の日記
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* 2004年2月1日(日) 買い物に来たはイイけれど・・・
* 2004年2月2日(月) 昨日から。
* 2004年2月3日(火) 嘘。あいつに女?
* 2004年2月4日(水) ほら、やっぱり♪
* 2004年2月5日(木) なんか・・・
* 2004年2月6日(金) ん〜っと・・・
* 2004年2月7日(土) だーかーらー!
* 2004年2月8日(日) あ〜。うるさい。
* 2004年2月9日(月) 今日は映画♪
* 2004年2月10日(火) あ、そうだw
* 2004年2月11日(水) 変な気分。
* 2004年2月12日(木) うわ〜!!
* 2004年2月13日(金) はぁ・・・・。
* 2004年2月14日(土) ダメだ、ダメだ。
* 2004年2月15日(日) 声は聞けたけど・・・。
* 2004年2月16日(月) う〜ん・・・。
* 2004年2月17日(火) なんか、もう・・・。
* 2004年2月18日(水) む〜ん。
* 2004年2月19日(木) 絶対涙腺壊れてる。
* 2004年2月20日(金) 天気悪いなぁ。
* 2004年2月21日(土) んー。考えたって仕方ない!
* 2004年2月22日(日) どおしよ。
* 2004年2月23日(月) 先にやっぱりパソコンを。
* 2004年2月24日(火) よお〜っし!2月24日
* 2004年2月25日(水) やけに。
* 2004年2月26日(木) 今度は。
* 2004年2月27日(金) そりゃ。
* 2004年2月28日(土) ・・・・・。
* 2004年2月29日(日) 今更。
* 2004年3月1日(月) クソ〜!
* 2004年3月2日(火) 良かった。
* 2004年3月3日(水) 顔が熱い!
* 2004年3月4日(木) あ゛〜、忘れてた。
* 2004年3月5日(金) ンフフフ♪
* 2004年3月6日(土) 後30分。
* 2004年3月7日(日) ちぇー。
* 2004年3月8日(月) うぅ〜・・・。
* 2004年3月9日(火) ふ〜。
* 2004年3月10日(水) むぅ。
* 2004年3月11日(木) べ、別に。
* 2004年3月12日(金) フッフッフ。
* 2004年3月13日(土) ちょっとだけ。
* 2004年3月14日(日) 敵わないよ、やっぱり。
* 2004年3月14日(日) 敵わないよ、やっぱり。

買い物に来たはイイけれど・・・
何処もかしこもチョコだらけだな〜♪
どれもウマそー!

今年は何個貰えるんだろ。
可憐だろー、野梨子だろー、毎年くれてる子達にー、清四郎の分、魅録の分、美童の分・・・・クフフフフーv

あ、でも今年はちゃんと貰ったやつ全部、死守しないとな。
去年は清四郎に取り上げられて一日に食べる量、制限されたし。
好きなだけ食わせろっての。
虫歯になるだの、にきびが出るだの。放っとけってんだ。
大体あたいの体はそんなに柔じゃありませんよー、っだ!
ントに、あいつは変なトコ妙に心配性だよな。

って、心配?あいつが?あたいを・・・?

いや。違うな。
あれはただ、あたいからチョコ取り上げていぢわるしてるだけだ。
だって、あいつがあたいのことなんて心配なんかする筈ないもん。
やっぱりただのいぢわるだ。
きっとそうだ。

あ〜ヤダヤダ!なんかヤな気分になっちゃった。

さぁ、買い物、買い物♪



2004年2月1日(日) No.1

昨日から。
なんか気分悪い。
ヤな事考えちゃってから、買い物しても飯食ってもムカムカしてるのが治らない。
そりゃあたいは馬鹿だし単純だし、からかったりいぢわるしたりするの楽しいのかもしれないけどさ、あたいだってそういうの傷ついてるんだ。
なのに清四郎ってば・・・。

どうせなら本当に心底嫌なヤツだったらいいのに。
そしたら絶対大っ嫌いになってやるのに。

でも。時々妙に優しかったり、安心できたりするから・・・。
だからなんか、嫌いになれない。


あー!もうヤダ!
なんで清四郎のことでこんなウジウジ悩まなきゃいけないんだよ!
もお!清四郎のバカヤロー!
2004年2月2日(月) No.2

嘘。あいつに女?
ま、まさかな。
きっと可憐と野梨子の見間違いだろ。

「なんだか親密な雰囲気でさ、あたし達、声掛けられなかったのよね」
「少し、年上に見えましたかしら」

なんて。
だからって、あいつの彼女って限らないだろ。
あいつ色んな知り合いいるしさ。

「あんな底意地悪いヤツに女なんか出来るわけないじゃん」
そうだよ。和子さんの友達と偶然会っただけとかさ。
うん。ないない、清四郎に女だなんて。

「あら、清四郎って結構モテますのよ。私なんて幼馴染というだけで今までどれほどやっかまれたかしれませんわ」

そりゃ仕方ないだろ。あたいだって時々本当にお前ら付き合ってるように見えるもん。
だからあいつの事好きなヤツからしたらお前の事、羨ましくなるの当然だよ。
お互いのことなんでもわかってる風でさ。あいつだって優しいし。
・・・・あたいとは全然、態度違う。

や、べ、別にいいんだけどさ。そんなこと。当たり前だし。
どうせ、あたいはただのおもちゃなんだからさ・・・・。
2004年2月3日(火) No.3

ほら、やっぱり♪
なー。だから言ったじゃん。こいつに女なんかできるわけないって。

「大体、その日は親父の今度の学会の資料作りで家から一歩も出ていませんよ」
だって♪

「そ、そうですわよねー。やっぱり清四郎に良く似た別人だったんですわ」
「あははは、ゴメンねー悠理。なんか勘違いだったみたいね」
「ほら見ろ。昨日さ、こいつらったら絶対お前だって」
「や、やーねー。絶対、なんて言ってないわよ」
「そんな口ぶりだったろ」
でもま、どっちでもいいや。違ったんだしさ♪
・・・って、なに。
なんであたい、喜んでんだよ。
あ〜、そっかw
このケーキがやたら美味いからだ。
これ何処のかなー。今度買いに行っちゃお。
それに比べて昨日の晩飯・・・全然味無かったよな。
シェフのおっちゃん風邪でもひいてんのかなぁ・・・。
あたいも気をつけよ。昨日なんだか全然寝れなかったしな。
あ〜、でもホント美味い。
ンフーこいつのも食っちゃえ。

いってー。
「なにすんだよ、何も叩くことないだろ」
「昨日散々チョコを食べたんじゃないんですか?それにあんまり食い意地が張ってると"好きな人"に嫌われますよ」
「は?」
なにそれ?誰、それ。
好きな人ってなに。
チョコなんて、まだ食ってないぞ。

−−−−−−−−−−−−−

ほら、見ろ。誤解じゃないか。大体魅録も美童も何勘違いしてんだか。
あたいがなんで男にチョコ作ってやんなきゃいけないんだよ。
あたいはあげたいんじゃなくて、貰いたいの。

って。
・・・く、食うなよう。
たくっ。清四郎ってばいっつもあたいのことガキ扱いしてぇ。
クリームぐらい言ってくれりゃ自分で取るっての。
それとも、もしかしてこのケーキやっぱり食いたかったのか?
2004年2月4日(水) No.4

なんか・・・
ふふ〜ん、五代にケーキ持ってきて貰っちゃったw
清四郎どこかなー。
今日はちゃんとお前の分もあるんだぞ〜♪
って言うか、あたいとお前の分だけな。
ホントはあたい一人で食いたいぐらいだけど、昨日お前の分、あたいが食べちゃったし。
だから、みんなには内緒な〜、なんて♪
あ。いた。
「せっ・・・」
誰だ・・・あの子。
泣いてる・・・・・・。

あ。目があっちゃった。
「ご、ゴメン。お前が見えたから・・・え〜、その〜・・・・お、お邪魔さまっ」
「あっ!悠理!」

どうしよう。どうしよう。
うわー。どうしよう。
なんだ、なんだ。よくわかんないけど・・・。
逃げなきゃ。
なんか、嫌だっ。

−−−−−−−−−−

行き止まり・・・ってココ何処だ。
体育館の裏?

「悠理!」
嫌だ、顔見たくない。
あんなトコ見ちゃったし。なんかイヤだ。

「どうして泣いてるんですか」
「知るか!」
あたいにだってよくわかんないんだっ。
あたいはただ一緒にケーキ、食べようと思っただけだったんだ。

「ケーキ、食おうと思ったんだ。昨日の。・・・昨日あたいが食っちゃったから」

でも、もうきっとぐちゃぐちゃだ。
さっき、いっぱい落としたし。
う〜っ。だから、なんであたい泣くんだよお。

「僕の、だったんですか・・・・?」
「美味かったし。・・・お前、昨日あたいの頬っぺたの食べたし。食いたかったのかと思って。・・・だから、一緒に食べようと思って・・・」

あ。
「丁度お断りするところだったんですよ。だから悠理が来てくれて良かった」
「・・・うん」
「ケーキ。貰ってもいいですか?」
「でも、きっとぐちゃぐちゃだぞ?」
「見た目より、味でしょ?」
あの時も、そうだったけど。
こうしてくれるの気持ちイイ。
伝わってくる暖かさも、おっきな手もこの声も。

さっきまで、なんか嫌だったのに。
今はもういいや。
2004年2月5日(木) No.5

ん〜っと・・・
あ〜。あんのババァうるせ〜っての。
昨日のは別に鬼ごっこしてたんじゃないってんだ。
しかもあたいだけ呼び出しやがって。
なぁにが「菊正宗君には後で言います」だ。
絶対、清四郎にはなんにも言わないんだぞ。
フンだ、わかってるんだからな。

あ、っと。ココ・・・・。
まさか、今日も、なんて事ないよなぁ・・・。

ほっ。
よかった、今日は誰もいない。
昨日は、ントにびっくりしたもんなぁ。
そりゃあいつが一応モテんのは知ってたけどさ、あんな場面見んの初めてだったし。
・・・やっぱり、今までにもあ〜やって告白とかされてたのかな。
その中の何人かの子とは、付きあったりしたのかな・・・・。
って、べ。別にあたいには関係ない事なんだけどさ。

・・・・。
・・・・・・。

なんか、またヤな気分になってきた。
なんだよ、あたいには関係ないじゃん。
なのになんであいつのことで、こんなヤな気分になんなきゃいけないんだよ。
あ〜むしゃくしゃする。
さっさと部室行ってオヤツでも食べよ!
んで、あいつの分も食ってやるんだ。
全部あいつの所為なんだからな。

今日のオヤツはなんだろな〜♪
2004年2月6日(金) No.6

だーかーらー!
あー!もう!なんなんだ!
あいつが放課後居なないのなんていつもの事じゃん!
昨日だってほら、どうせアレだよ。アレ。
うーん、あっそうそう、超能力がなんたらかんたらの会合?
か、じゃなかったら、じっちゃんトコとかー。
後は、え〜・・・・・そう!推理小説の集まりとか!
ほら〜、あいつって忙しいじゃん。だからいなかったんだよな。
うんそうそう。きっとそう♪

・・・・・。
別にまた告られてたとかそんなんじゃ・・・・ないよな・・・。

って、あー!だから!あたいには関係ないっての!
それなのになんだよもう!なんでこんな気にしてんだよ。
どうでもいいだろ、あいつがどうしようが。
そうだよ、誰に告られようが、誰と付き合おうが、放課後何処行こうが。
あたいには関係ない!今までだって、そうだったろ。

あー!もう、訳わかんない!
もうヤダ!
清四郎の事考えんのヤメ!
そう!あいつがなにしようとどうしようと、気になんかならない!
気にならないったら、気にならない!気にならないぞー!
2004年2月7日(土) No.7

あ〜。うるさい。
ドキドキドキドキドキドキドキ・・・・。
って、何!なんであたいこんなに、心臓バクバクしちゃってんだよ。

「悠理、聞いてるんですか?」
「え、あ、うん、聞いてるきてる」
なんて嘘、大嘘だ。
さっきから、こいつの顔がすぐ近くにきたり、手がノートとかテキストとかの上を動く度、心臓は痛くなるわ、顔は火照るわで、話なんか聞いちゃいられない。

大体。なんなんだよー!
あんだけ昨日「もうこいつのことは一切考えない!」って固く決心したのに。
なんでいきなり来るんだよー。

「暇だったので家庭教師にでも」だと?
なんで暇なんだよ。お前は忙しくなきゃいけないのっ。
じゃなきゃなんで一昨日いなかったのか、また理由考えなきゃいけないだろ。
って、だから別に考えるも何も、関係ないんだけどさ。
って、あ〜!あたい、変!絶対、変!

「悠理」
「え。な、何」
うわ、怒られるのかな。ヤバイ、あたいなんにも聞いてなかったぞ。
「一昨日のことなんだが・・・」
「え」
・・・・な、に?
「魅録が告白されたの、知ってますか」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?

「あの日、悠理、部室に来なかったでしょう。だからまた僕の時みたいに、その場に居合わせたんじゃないかと思ってね」
あ、あの時、みたいに、ってことか?
うわ、まただ。またなんか胸がきゅって・・・。
でも、ビックリしたけど、あの後のケーキ、すごくおいしかったんだよな。
こいつもさ、なんか、ちょっと、その・・・優しかったし。
それに。そうだ、この間はさ、「こんなトコにクリーム付けて」なんて人に言ったくせに、自分だって付けてさ。
仕返しにそのクリーム取って食ってやった時のこいつの顔♪
今思い出しても、おっかしーw

「・・・・やっぱり、一緒だったんですか」
ん?なにが?
「また、泣いたんですか」
「誰が?」
何の話?あちゃ、あたい、また聞いてなかった。
にしてもなんで、こいつこんな怖い顔してんの?
「誰がって、悠理がですよ。魅録が告白されている所に居合わせて、また、驚いて泣いてしまったんじゃないですか、と訊いてるんです」
「なんであたいが泣くんだよ、魅録が告られたからって」
て言うか、なんでお前そんな怒ってるんだよ。
「だって悠理、僕の時泣いたじゃないですか」
「あ、アレはあたいだってよくわかんないって言ったろ。大体なぁ、魅録が告られたのだって、あたい今初めて聞いたんだぞ」
「え?」
え?じゃないわい。
何だってんだよ。今更、泣いた事持ち出してきたりして。
そりゃあん時のことはあたいにだって未だによくわかんないけどさ。
でもそんなしょっちゅう泣きませんーっだ。
「あたいあの日、先公に捕まってたんだよ。お前が、あの日、追っかけてくるから・・・」
「は?」
「お前と鬼ごっこしてたって、怒られてたの!」
そうだ、こいつ本当に怒られたのかな。・・いや、絶対何も言われてないな。
「怒られたって・・・。アレで、ですか?フム、僕は何も言われてませんけどねぇ」
「やっぱり。ぜーったい、そうだと思ったんだ。だってあいつ、お前の事贔屓してるもん」
「あいつって、だれです?」
「英語の竹桜」
あいつなにかって言うと、いっつも清四郎や野梨子の事引き合いにだすんだ。絶対、贔屓してる。
って、何。
なんでそんな嬉しそうな顔してんだよ。
まさか、お前あいつに贔屓にされてんのが嬉しいのか!?
「そうですか、怒られてたんですか」
あー!喜んでる。あたい一人怒られたの、喜んでる。
やっぱり、こいつってばムカつく。
2004年2月8日(日) No.8

今日は映画♪
早く放課後になんないかな〜♪
あの映画、ずっと観たかったんだよな。
なのにさ、上映時間が長いからって誰も付き合ってくれなくて。
たったの3時間半だぞ。普通じゃーん。
やっぱ映画ってそれぐらいないとなー。

んふw
でも今日はやっと観れる〜。
その前に飯食ってー。買い物とかもちょっとしてー。
もお、この何日かのストレス全部、ぱーっと発散してやる!

ンフフフフ、覚悟してろよお、清四郎。
今日は、んーーっと、あたいに付きあわせてやるからな!
2004年2月9日(月) No.9

あ、そうだw
「ねぇ、ねぇ、昨日の映画どうだった?面白かった?」
「う、うん。面白かったぞ!すっごい迫力だったし。な、清四郎?」
「えぇ、結構面白かったですよ」

なんて。うわ〜。どうしよう。
頼むからこれ以上、突っ込んだ事訊くなよお。
何にも覚えてないんだからさぁ。

まさか。気がついたら映画終わってた、だなんてな・・・。
ちくしょー。あの映画、ずっと楽しみにしてたのにー。
やっぱなぁ、最近寝不足気味だったしなぁ。
暗くなり始めた時からヤバイな、とは思ってたんだよなぁ。
それがいつのまにか、清四郎の肩、枕にして眠っちゃうなんて・・・。
で、でも!コイツにだって、責任はあるんだ。
寝れなかったの、こいつの所為だし、それに本当は映画館でも途中で1回目が覚めたんだ。
それなのに、コイツがあたいの事枕にしてるから、あたい動けなくなって・・・。
いや、それで、また、いつのまにかあたいもそのまま寝ちゃったんだけどさ。
・・・・だって、なんか、気持ち良かったし。

と、とにかく、うん。そうだよ、あたいが寝ちゃったのもこいつの所為なんだ。
だから、あん時は咄嗟に「なんでもするからみんなには黙ってて」って言っちゃったけどさ、コイツの言うこと聞く必要はないよな。
それよか、もう一回映画付きあわせてやる!
ちゃんと観たいし。
うん、そうだ。
ふふ〜ん、イヤとは言わせないもんね〜。
脅し文句はこれで決まりだな。

「お前だって、あたいの事枕にして寝てただろう」
2004年2月10日(火) No.10

変な気分。
なんでコイツ、こんな女受けしそうな店知ってんだろ。
明るすぎなくて、でも暗いわけじゃなくて。
飯も美味いし、五月蝿いわけでもないし。
あたいなんかでも、なんか素直に「ココ好き」って入った瞬間に思った。
普段そう言うのに五月蝿い可憐や野梨子も、絶対ココ気に入るよ。
でもさ。
なんで、お前がこんな店知ってるんだ?
お前、こういうの苦手分野なんだろ?
前に、誰と来たんだ?


「どうしました?・・・それ、失敗でしたか?」
「え?」
「なんだかあまり進んでないみたいですけど」
「そ、そんなことないぞ」

美味しいよ。・・・・美味しいけど、でも。
なんだろ。
段々、イヤになってきた・・・・。

「フム・・・一昨日の店の方が良かったですかね」
そうかも、一昨日の店の方が良かったかも。
だってあっちは、男も女も関係ないだろ?
大人も子供も関係なくて、こんな・・なんか・・・雰囲気のある店じゃなかったから。

「手を付けてしまってますけど・・・ま、今更ですよね。僕達の間じゃ」

―――イ、ヤ・・・・。

食べれそうにないならって自分の皿と交換しちゃうなんて。
そんなのいっつもしないじゃん。
なにか間違っても、「自業自得だ」っていつもなら言うだろ?
それなのに・・・。
それとも他の女にはこんな優しいの、言ってるのか?
って、なんでこんな他の女の事、気になるんだろ。
あたいにはそんなこと関係ないのに。

「悠理?」

でもやっぱり嫌だ。
他の誰にかに優しくしてる清四郎なんて、嫌。

「ふ〜・・・姉貴の言う事も当てになりませんね」
「へ?」
「ココ。姉貴が絶対、悠理も気に入るからって。一昨日の店の事話したらえらい剣幕で怒られましてね。でもま、僕もココ初めてだったんですけど、雰囲気いいし、なるほどな、って思ったんですけどね。やっぱり、お前はそういう事じゃないな」

なんだよ。バカみたい・・・。
お前、そんなこと気にしてたのか?
あたい一昨日の店でも楽しかったんだぞ?
でも。わざわざ和子さんに教えて貰ったんだ。
プライド高いくせに。
クククク、お前・・・・バーカ。
そうだよな、お前がこんな店、知ってるわけないよな。
なんだよ、あたい、変なの。
今、すっごい嬉しい。
「一昨日の店も、ココも好きだぞ。そっちも美味しかったし、これも・・・・うん、美味い」
「なんですか、さっきまでぼんやりしていたくせに」
だって、急に嬉しくなったんだから仕方ないだろ。
「な、な、それよりお前それ、さっさと食えよお。映画始っちゃうだろ」
「まだ大丈夫ですよ。それより、今日はもう寝ないでくださいよ」
「お前に言われたくありませ〜ん」
フフン、今日は寝ないよ。
でも、また肩は借りるかも。
だって、今は少しでもお前の傍に居たい。

あたい、わかった。
お前を他の誰かに取られたくないんだ。
ずっとあたいの傍にいて欲しいんだ。

・・・って、うわーー!
あたい今絶対、顔紅い!
だってすっごく暑い!!
2004年2月11日(水) No.11

うわ〜!!
いつも通り、いつも通り・・・・。
・・・・あ〜ダメだ!やっぱり顔見らんない。
昨日はまだなぁ・・・平気だったのに。
一晩経っちゃったら、なんだか、もう。
いつもだったら、なんとも思わないで、すんなり隣とか座れてたのに・・・。
はぁ・・・今日なんてまともに喋ってもないや。

「――――、おい!」
「へ?」
うわ、ヤバ。なんか、喋ってた?
全然聞いてなかった。
とりあえず笑って誤魔化しとけ。
「なに笑ってんだよ。お前今まで俺の話全然聞いてなかっただろ」
「へへへ、ゴメン」
「全く・・・」
だって・・・さぁ。
ゴメンな、魅録。
もうちょっとさ、今のこの気持に慣れるまで、たぶん、あたい話聞けないわ。
だって、ずっとアイツの事考え・・・・あっ。
目、目があっちゃったよお。どおしよー。
な、なんか怒ってる・・・。
あたいなんかやっちゃったかな。

「ゆ〜り♪」
「ちょっと、付き合っていただけませんこと?」
「え?」
「イイから、ちょっと来なさい」
「それでは、皆さんまた明日」
ってなに!
「何処行くんだよ」
あたいはまだ帰りたくないのに〜。
「可憐?野梨子?」
あたいまだ部室にいたかったんだけど・・・。
なんなんだ、急に。
2004年2月12日(木) No.12

はぁ・・・・。
どおしよお・・・・・。
でも、渡さなきゃ、可憐達が怖いしなぁ。
それに、せっかく徹夜したし・・・・。
あぁ、でも!
こんなの渡せないよお。
きっと嫌味の一つや二つや三つや四つ・・・・・・・・。
はぁ・・・やっぱ、無理だよなぁ。

でもなぁ・・・。

「悠理」
「わ、わ、可憐!」
「あんたまだ迷ってんの?」
「だって・・・」
やっぱさぁ、あたいが"チョコ"なんて、ガラじゃないし。
それに清四郎、なんか、昨日から怒ってるし。
今だって、野梨子と・・・・。
昨日、野梨子は清四郎とはただの幼馴染って言ったけど、でも清四郎の方は・・・・。

「あたしだったら、すっごく嬉しいわよ。そのケーキ貰えたら。だって、完璧の出来なんですもの」
「これの何処が完璧だってんだよ。焦げちゃったし、形も変だし」
「違うわよ。見た目じゃなくて、心のこもり具合が完璧だって事。あいつに食べてもらいたくて、徹夜してまで頑張ったんだから。違う?」
可憐・・・・。

「バーンといきなさい、バーンっと!なんかあったらあたしが責任とってあげるわよ♪」
「他人事だと思ってぇ〜・・・・」
でも、
「ありがと」
「・・・・うん」

「じゃ、あたし帰るから」
「え!」
「美童も今日はデートでもう来ないし、魅録はあたしが連れて出るから、後はしっかりやんなさい」
「な、なに言ってんだよお」
そ、そんな、急になんて無理だよお。
うわー!うわー!
「悠理。渡さないんなら渡さないで良いから、せめて普段通りにしなさい。今のあんた、あからさまにアイツの事避けてて不自然よ」
「嘘。マジ・・・?」
あたい、かなり頑張って普段どおりにしてたつもりだったのに・・・・。

「じゃあね。―――魅録、あんたまだ帰らないの〜」
「お?お、おぉ、帰る帰る」

って、おい!お前ら!
「じゃあね」じゃない!「帰る帰る」じゃない!
コラ、魅録!お前も知ってんだな!
この薄情もの〜〜〜!

うっわー・・・・、どうしよう。



■ 清四郎。2月13日(金)−2
あいつ等に逃げられて、どうしていいのかわからなくてあたいも逃げようとして、捕まえられたと思ったら、抱きしめられてた。
体中がドキドキうるさくて、顔なんて見られたくないぐらい熱くてきっと真っ赤で。
でも髪にあいつの重みを感じると、少し、体から力が抜けた。

やっぱり、暖かい。
それに、段々、力が抜けてくる。
ちょっとだけ、凭れちゃっても・・?なんて、思ってしまう。

きっと今なら、大丈夫かもしれない。
どうして、こうしてくれるのかわからないけど、でも。

だってコイツ、そんなに器用じゃないもん。
他の誰かが頭とか心の中にいるのに・・・、なんてできっこない。
だから、大丈夫。
今は、あたいの事、考えてくれてる・・・ハズ。

「清四郎」
「ん?」
ほら、声だってこんなに優しい。
「ケーキ、食う?」
「ハイ?」

"ハイ?"って・・・。
そりゃ、いきなりだったけど。
でもいいや。
まだコイツ、あたいの事、離さないでいてくれてるし。

「な、食う?」
これで「いらない」って言われたら、あたい、もう立ち直れないかも。
こんな風に抱きしめたクセに、そりゃないよ、って。
でも、やっぱり大丈夫そう、みたいだな。

「あるんですか?ケーキなんて」

あるよ、とっておきのが。可憐のお墨付きのがさ。
見た目も味も自信ないけど、な。

−−−−−−−

見た目も味も、全然オッケーだって。
ぎゅっと抱きしめてくれた後、ふたりで食べたチョコケーキ、「来年も作ってくださいね」だってさ。
2004年2月13日(金) No.13

ダメだ、ダメだ。
へへへv
はっ!だ、ダメだ。 いつもどおり、いつもどおり …。

この間もそんなこと思ったよなぁ。
でもあん時はさ、まだその…
って、うわ〜また思い出しちゃたよお。

「エイヤ!」
運動でも
「エイっ・・ えへへ、でもあいつもあたいのこと、ス・・・」

・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・ん?
…言われてない…。

え、や、でも抱きしめてくれたし、あたいちゃんと"バレンタイン"って言ったし。
それで!そう、それを食べて"また来年も"って…。
それって、いいんだよな、なにも言わなかったけどそう思って・・・。

ただ、食べてくれただけだったりして・・・・。

はははは、まっさかー・・・・。
2004年2月14日(土) No.14

声は聞けたけど・・・。
「――――ん。じゃぁな。・・おやすみ」

はぁ・・・・・・。
清四郎、大阪行ってるんだぁ・・・・・。
一昨日はそんなこと一言も言ってなかったのにな。
でも昨日にでも教えてくれれば、あたいだって大阪ぐらいすぐ行けたのに。
そしたら向こうで遊べたのに・・・・。

って。おじちゃんの手伝いで行ってんだもんな。
遊んでる暇なんてないか。
それに、迷惑・・・・だよな。やっぱり。
はぁ・・・。

で、でも昨日、じゃぁやっぱり電話しなくて良かった。
きっと忙しかっただろうし。
今日なんて、もう空港って言ってたから危うくもう少しで飛行機に乗っちゃってて電話できないトコだったし。
あたいって、ナイスタイミングじゃーん。ばっちりじゃーん。アハハハハ。

・・・・・虚しい。

はぁ・・・・。なんだかなぁ。
2004年2月15日(日) No.15

う〜ん・・・。
怒ってる、のか・・・?
だってまさかあの後、うちに来るなんて思わないじゃん。
来るの知ってたらあたいだって出かけなかったっての。

でもさぁ。よく考えたら会えたとしても、どうしていいんだかわかんなかっただろうなぁ。
だって・・・、あたい、告白みたいな事しちゃったし、でもあいつはそれには何にも言わなかったし・・・・。
可憐も野梨子も大丈夫だって言うけど、その割にあいつの態度、全然変わってないもんなぁ・・・・。
やっぱり、あのケーキはただ食べてくれただけなんだろうな。
物珍しさって言うかさ、怖いモノ見たさ・・・とか。

はぁ・・・自分で言ってて落ち込んできた。
2004年2月16日(月) No.16

なんか、もう・・・。
ズンズン、ズンズン。人気のないトコへ引っ張って行かれたから、絶対すごく怒られるんだと思った。
のに・・・・。
「何か怒ってますよね」
って。
怒ってるのは・・・。
「怒ってるのはお前だろ?お前あの日の晩、うちに来てくれたのに、あたい、いなかったから・・・」

だってまさか来るなんて思わないし、・・・・あたいのことなんて飛行機に乗ったらもう忘れてると思ってた。
コイツは、色んな事に忙しいか・・・・っ!

「ちょっ!せ、清四郎!!」
な、何!なんでいきなり、こんな・・・。
こんな事されたら、あたいまた期待しちゃうじゃん。
勘違い、しちゃうよ・・・・。

「怒ってなんていませんよ。あの晩は僕が勝手に行っただけですからね。驚かせようと思って敢えて連絡しなかったんですよ」
え・・・?
「僕の方こそ、悪かった」
なんて言ったんだ?コイツ。
悪かったっ、て・・・聞こえた?
怒ってないのか?

・・・でも、笑ってる。
ホントに、怒ってないって事か?
さっきまで、あんなに怖い顔してたのにな・・・。

あぁ、ダメだ。あたいこの顔好きなんだよなぁ。
離れなきゃいけないのに、また勘違いしちゃうのに・・・・これじゃぁ離れらんないよ。
2004年2月17日(火) No.17

む〜ん。
なんだかなぁ・・・。
人を好きになるって、こんなに疲れるもんなのか?

とりあえず、あたいの事怒ってないのはわかったけど、でもやっぱりコイツってば全然今まで通りだしなぁ・・・。
昨日だって、抱きしめてくれたから「やっぱり」なんてちょっと期待しちゃったのにさ、すぐに何事もなかったみたいに、普段通りになっちゃって。
なにか言われたり、あんな風にされて、その度毎にドキドキするあたいの身にもなって欲しいよなあ。
って、そんなのわかんないか。
あたいのアレも、きっと告白だ、なんて思ってもないだろうし。大体、コイツにとっては抱きしめるのなんて慰めてくれるのと同じ感覚なのかも。
あたい、昨日もちょっと泣きそうになってたし。
あの日だって、こいつから見たら、ちょっとあたい変だったのかもな。緊張してたし。
きっとそうなんだ。だから抱きしめてくれたり、ケーキ食べてくれたりしたんだな・・・・。

あ〜ぁ。あたいってホント馬鹿。
2004年2月18日(水) No.18

絶対涙腺壊れてる。
いつも通りしなきゃなぁ・・・・。
って、何回目だよ。こんな事考えるの。
でも、やっぱり目、見らんないや。
話しかけられても、ドキドキしちゃって頭に入んないし、なんだか居心地が悪い。
隣にいたいとは思うんだけどなぁ・・・。
でも、また変な期待しちゃいそうで怖いや。
こんなんになるんならいっそ気付かなきゃ良かった。
気付かなきゃ、前みたいにただ楽しかっただけなのにな。

はぁ・・・。みんなこんな風に悩んでるのかな。
可憐も野梨子も、好きな男が出来た時こんな風に悩んだのかな。
・・・・でも、あたいの場合は特にかもしれないよなぁ。
なんせ、相手があいつなんだもん。
あたい、見る目ないのかなぁ・・・。

「悠理」
「な、何」
突然、声かけんなよ。ビックリするじゃん。
しかも今ロクな事考えてなかったし。
「今度の土曜日なんだが、時間ありますか?」
「へ?」
何・・・。何すんの・・・・。
「ふたりで出かけないか。先週は大阪に行く事になって何処にも行けなかったし」
また、そんなこと…。それともわざと?
あたいの気持知っててからかってる?
なんで、こんな期待させることばっかり・・・・。

「・・・・・・なんで?」
「は?」
「なんで、誘うんだって訊いてるんだよ・・・・」
あたいってバカ。こんな事訊いてハッキリ答えられたらどうすんだよ。
立ち直れないぞ?
「なんでって・・・そりゃ、デートしたいじゃないですか」
「デート?」
う・・・そ。
今・・今・・・デートって言った?
デートって。だって・・・。
「悠理の大好きなディズニーランドなんてどうです?朝から晩まで楽しみませんか」
嫌だ。なんだか、清四郎の顔がぼやけてく。せっかく大好きな顔してるのに。
「嫌、でしたか・・・。悪い、デートと言っても正直何処に行けばいいのかわからなくて。他にどこか行きたい処ありますか?」
「違う・・・。違うんだ・・・・」
違う、ディズニーランドが嫌なんじゃなくてお前の顔が見えなくなってるんだ。

「場所はともかく、デートはOKしてくれますか?」
あたいもう本当に勘違いしちゃうからな。
これでただからかってるだけなんて後で言ったってもう遅いんだから。
だって、ダメだよ。そんなのダメなんだからな。

でもなぁ・・。

やっぱ・・・・・・。

う〜ん。
信じるけど・・・・、信じるけど、なんか、こう・・・・。

はぁ。
でもこいつがそんなこと言うのも想像つかないし。
でも、聞きたい、というか聞いてみたいというか・・・・だって、なぁ。

はぁ・・・。あ〜、もう、清四郎のバカ。
2004年2月19日(木) No.19

天気悪いなぁ。
明日せっかくディズニーランドなのにぃ。
明日にはちゃんと止むよな、この雨。
むーん。でも清四郎が日頃の行い悪いからなぁ。もしかしたら今日より大降りになるかも・・・・。
ありえるよな。

雨降ったら明日、どーすんだろ。
中止かなぁ、やっぱり。
さっきは「朝迎えに行くから」ってしか言ってなかったもんな、あいつ。
あとで聞いてみようかなぁ。
でも「もちろん中止ですよ。雨の中行くんですか?」とか言われたら嫌だしなぁ。
てか言いそうなんだよなー。
・・・イヤ、でもあいつ「デートしたい」って言ってたし。
って、うわー・・・照れる。

大丈夫だよな。雨降っても。
明日は一緒だよな。
2004年2月20日(金) No.20

んー。考えたって仕方ない!
って言ってもやっぱり考えちゃうんだけどさ。
でも、せっかく天気良くなって、ここに来れたんだし、
なんかここに来たら、やっぱり楽しいし。

それに今、"一緒にいる"しな。

「せーしろー!早く来いよお!」
「ハイハイ」

フフン♪
やっぱ、今すっごく嬉しいや。
もうホントに考えんの止めよっと。
とにかくあたいは、あいつが好きなんだ・・・・・・・って、何度思ってもこんなセリフ、クサイ〜
2004年2月21日(土) No.21

どおしよ。
頬っぺた緩んじゃって直んない・・・。
こんな顔してたら絶対、変な事言われんだ。

例えば。
―――「僕の事、そんなに好きなんですか?」
好きだけどさ・・・。
―――「僕とのデート、そんなに楽しかったんですか?」
楽しかったけどさ・・・・。

なんか、ムカつくーーーーーー!!
ダメだ、ダメだ!絶対、顔直してやる。
フンっ!

「お、お嬢様、如何なさいましたか」
し、しまった。あたい一人じゃなかったんだ・・・・。
「なんでもない、なんでもない」

とにかく、平常心だ、平常心。
・・・・でもなぁ、最近アイツといて平常心でいられたことってあんまりないんだよなぁ・・・。
昨日なんて、思わず殴っちゃいそうになったし。
はぁ、あたいってホント可愛くないよなー。
手ぇ、握られただけで、あんな・・・・。
って、そうだ!
あたいら、手、繋いじゃったんだ!
うわ〜!
2004年2月22日(日) No.22

先にやっぱりパソコンを。
とりあえずパソコンがないとどうしようもないよな。
そんであいつが留守の時に部屋に忍びこんで・・・・メールに貼り付けて・・・送る?だっけ。
出来んのか、あたい・・・・。

素直に欲しいって言うほうが早いか。
むーん。でもそれはなんだか恥ずかしい・・・・。ていうか、今更そんなこと言えないよなぁ。
あー。なんで昨日、いらないなんて言っちゃうんだよ、あたいは。
む。違うな。あいつが「ふふ〜ん♪」なんて笑うからだ。
くそー、せっかく恥ずかしいの我慢して、ドナルドと撮る振りしてあいつとの写真撮ったのに。

デジカメなんて嫌いだ。
普通の写真なら現像したヤツをさっと貰っちゃえば済む話だってのに。
今度何処か行く時は、ポラロイドカメラ持って行ってやる!

・・・・・・「今度」、あるよな。
2004年2月23日(月) No.23

よお〜っし!2月24日
フッフッフ。見てろよ、清四郎。
もうあの写真で、からかわれたりなんかしないんだかんらな。
今日の放課後にでもお前の部屋に忍びこみさえすれば、もう完璧だ。
メールでちょちょいのちょいってあたいんトコに送っちゃうもんね〜。
これであたいもあの写真を堂々と見れるってもんだ。
・・・・ちょ、ちょっと、恥ずかしいけどさ。

さぁ、清四郎ちゃん。
今日の御予定はどうなってるのっかな〜♪
2004年2月24日(火) No.24

やけに。
近、やけに差し入れの弁当、多いなぁ。
まぁ、全部食っちゃうからいいんだけどさ♪
ん〜wどれもこれも美味しい!

やっぱ、あいつの事好きになってから妙に心臓バクバクいったり、緊張したりして体力使うから、栄養補給は欠かせないよな〜。

「ちょっと、あんた食べすぎじゃない?」
「ほんはこほはいひょ」
「食べ物が口に入ってる間は、喋るのお止めなさいな」

だって、本当にまだ足りないぐらいなんだ。
昨日も楽しかったし。
あ。昨日って言えば、最後に食べたラーメン、めちゃ美味かったよな〜。
やっぱ、昨日みたいに寒い晩はラーメンだよな。

また食いたいよなあ・・・。
週末もあの辺通るかな。
清四郎も美味しいって言ってたし♪
ドライブの帰りにあの辺も寄ってもーっらおw
2004年2月25日(水) No.25

今度は。
「暫く、一人にさせていただきますわ!」
「か、かーちゃぁん!!」

父ちゃんてば、またなんか余計な事言ったんだな。
懲りないね〜、全く。
かーちゃん怒らせて一番困るの自分なクセにさ。
って、そんな事、それも一番よく知ってるか。
とーちゃんて、かーちゃんにベタ惚れだもんなぁ・・・。
またこれで何日か寝込むんだろうなぁ。

ん?
てことはまた、兄ちゃんの仕事が増えるわけか。
はぁ。兄ちゃんも可哀想に・・・。
でも、これが清四郎なら喜んでこなしそうだよな。
あいつってばやる事が多ければ多いほど楽しってとこあるし。

・・・・・・・黙っとこ。
言ったら、手伝うとか言い出しかねない。
仕事なんて手伝わしたら、絶対あたいの事なんて忘れるんだ。
兄ちゃんには悪いけど、絶対、大変だって事、黙っておかなきゃな、うん。
2004年2月26日(木) No.26

そりゃ。
「――――仕方ないじゃないですか。穴を開けるわけにはいかないと言われれば。豊作さんにとって大事な集まりらしいんですよ」
仕方ない?
あぁ、そうだな。
仕方ないよな。兄ちゃんだって大変なんだ。
でも、でも・・・・・あたいがムカつくのは。

あたいとのドライブの計画練ってる時よりも楽しそうなその顔なんだ!

だから言いたくなかったんだ。
・・・・・なんだよ、嬉しそうな顔しやがって。

そりゃ、あたいだって、わかってるよ。
母ちゃんが出ていって、父ちゃんが役に立たない今、兄ちゃんがその代わりをしなくちゃいけなくて、そしたら兄ちゃんの代わりを他の誰かがしなきゃいけない、なんて事。
でも、どうしてそれが清四郎なんだよ。
秘書のおっちゃん等で充分じゃないか。
なぁにが、
「秘書の方々は、おばさんの行方を捜すのにおおわらわなんですよ」
だ。
誰か一人ぐらい、残しとけよ。兄ちゃんのバカ。

「とにかく明日の予定は変更です。ドライブは、ほら、明後日にでも」
む。
・・・・何だよ、その適当な言い方。
あたいは、明日がすっごく待ち遠しかったのに。
お前の運転も、海中公園も、めちゃくちゃ待ち遠しかったのに。
お前に取っちゃ、どーでもいいんだ。

「いつものようなパーティーじゃありませんからね。仕事絡みだし、大人し目の恰好にしてくださいよ」
「・・・・・あたい、行かない」
「え?」
「あたい、パーティーもドライブも行かない。どっちもヤダ!」
「悠理?」
「今のお前、めちゃくちゃ楽しそうだよな!それならもうずっと兄ちゃんの手伝いばっかしてろよ。どうせあたいと何処か行くのなんて、面白半分の暇つぶしだったんだろ!」

そうだよ、だってあたい別に好きだなんて言われてないんだ。
あん時のケーキだって、興味本位で食べてくれただけなんだ。
手を繋いだのだって、あたいの反応見て楽しむだけだったんだ。
そうなんだ。こいつがあたいの事なんて好きになるわけないんだ。
それに、ほら。
こいつ、なんにも言わない。図星、だったんだ。

あー。もうだめ。
もう、顔見たくない。

「じゃ、じゃーな」
2004年2月27日(金) No.27

・・・・・。
あたいって本当に馬鹿だよなぁ。
絶対、もう嫌われちゃったよな。
あぁ、そうか。元々・・・・・。


ホント、馬鹿。
泣くぐらいなら、あんな事言うなよ。

でももうわかっちゃったんだから仕方ないよな。
今まで考えないようにしてたけど、やっぱりそうだったんだ、って。
だって、あいつは言い訳しなかった。
それに追っかけても来なかったし、メールも電話もなんにもない。
これってやっぱ、"そう"なんだよな。

って、あたい、まだ信じたくないのかよ。
"そう"なんだって。
最初からわかってた事じゃないか。

でも、酷いよな。清四郎も。
あんな風に抱きしめたり、あんな風にあたいを見て微笑ったり・・・・。
だから、やっとちょっと自信なんてモン持てたトコだったのにさ。

やっぱ、あたいが「恋愛」なんてできるわけなかったんだ。
しかも相手があいつだし。

はぁ・・・。
明日、何処か遊びに行こうかなー。
可憐と野梨子誘ってさ。
ぱーっと騒いで、そんで、嫌な事、全部忘れちゃお。

月曜には、普段どおりしなきゃいけないもんな。
2004年2月28日(土) No.28

今更。
嬢ちゃま、起きてらっしゃいますか。清四郎様がいらっしゃいましたぞ。なにやら火急のご用とか」

今更、言い訳しにきたのか?
まだ、あたいをからかおうっての?

「追い返してイイよ。もう寝てるって言って」
今はまだ会えない。
会ったらもっとへこんじゃいそうだし。
悔しいけど、まだ嫌いになれないんだ。
まだ、どっかでちょっと期待しちゃってる馬鹿な自分がいるんだ。
だから、今は会いたくない。

「―――と、仰っておりますが?」
もう良いんだ。
あいつなんか好きになったのがそもそもの間違いだったんだ。
・・・・・・・え?
「悠理。謝りにきたんですよ。僕の顔なんて見たくもないのはわかりますが、少しぐらい話を聞いてくださいよ。入りますよ、良いですね」

せーしろお・・・・・。


大嫌いだ。
こいつって、やっぱずるい。
卑怯だよ。
こんな・・・こんな、マジな眼されたらあたい、また信じちゃうじゃないか。

「今更、だったかもしれない。だけど、信じて欲しい」

ダメだよ・・・・・ずるいよ。
あたい・・・・あたい・・・・だって、もう・・・遅いんだ。

「いつも僕はお前を泣かせてしまうな」

もう、嫌いになんてなれないんだから。


「バカ」
「え?」
「バカ!アホ!サイテー!ひきょーもん!大っ嫌いだ、お前なんか。もう許してなんかやんないんだからな」

バカじゃない。アホじゃない。最低じゃない。卑怯者じゃない。
大嫌いになんかなれない。
全部、あたいの我侭なんだ。
あたいが好きなのに、大好きなのに、怖くて、信じられなかっただけなんだ。
許して貰うのはあたいの方なんだ。

「なら、許してくれるまで言い続けますよ。悠理、僕は、お前を――――」

もう、涙が止まんないよ。
2004年2月29日(日) No.29

クソ〜!
あー。まだドキドキする。
顔、見らんないよお。
なのに、こいつってばあたいがそんななの知ってて傍にいるんだ。
・・・いや、そりゃ、何処か行かれてもヤだけどさ。

「悠理」
「な、なに」
ダメだ〜。いちいち動揺しちゃうよ。
「あ・・・」
「いいー!言わなくていー!もうわかったから、やめろー」
わー!わー!もう本当にいいよ。
昨日いっぱい聞いたから。もう当分イイから!
「わかるんですか?で?晴れですか、雨ですか」
「へ?」
「だから、"あ"したの天気、ですよ」
「へ・・・・天気?」
「そう、明日の天気」
・・・・・・・・・・・!!
「知るか!」

くっそーーー!またやられた!!
くそお、くそお、くそお!!
やっぱ、嫌いだ、こんなヤツ。
大嫌いだーー!
2004年3月1日(月) No.30

良かった。
「チャイナも綺麗でしたわ〜。でもやっぱりウエディングドレスも着せてみたいし・・・。でも、あなたの言う通り白無垢も案外似合うかもしれないなんて思ってしまって」
「いっそのこと全部着せるだがや。そうすればわしと母ちゃんの希望、どっちも叶うだがや。これでもう喧嘩しなくて済むだがや」
「まぁ!あなた!それはとってもいい考えですわね。そうしましょう♪て事で、悠理。後は日取りだけよ」

何の話だよ、なんの。
チャイナ?うえでぃんぐどれす?しーろーむーくーだぁ?
しかも・・・考えたくはないけど、もしかして今回の喧嘩の理由"も"あたいのけ・・・け・・・・・けっこ・・うわーーーーーーー!!!!

良かったー。あいついなくて本当に良かったー。
絶対こんな事聞かせらんない。
聞かせてたまるもんか。

・・・・・・ん。ちょっと待て。
あれ?ていうか、なんでバレてんだよ。

誰だ、母ちゃん達にチクったの。
2004年3月2日(火) No.31

顔が熱い!
あたい、ホントにどこか悪いんじゃないか?
いい加減、慣れろよな。
・・・いや、慣れてたんだ。この間までは。
でもあいつがハッキリ言ってくれたり、母ちゃんと父ちゃんが変な事言い出したりで、また元に戻っちゃったんだよ。

あー。でも、平常心だ、平常心。
これ言うの、何回目だよ、全く。
2004年3月3日(水) No.32

あ゛〜、忘れてた。
ホワイトデーかぁ・・・。
またお礼用意しなきゃなぁ。
今年も可憐と野梨子に協力してもらうか。
なに買っていいか、わかんないし。
でも買いに行くとあたい自身が欲しくなっちゃうんだよなぁ。
クッキーもケーキも、全部美味そうなんだもん。
・・・えへへへへ。ま、いいよな、ちょっとぐらい。
今年も自分用にも何個か買っちゃお〜っと♪
2004年3月4日(木) No.33

ンフフフ♪
ドライブー!
この間は結局行けなかったもんな〜。
・・・・気が付いた時は昼過ぎてんだもんな。
あいつも起こしてくれりゃ良かったのに。

―――寝顔見てるのも結構イイモンでしたよ

って、うわーーーーーーーーーーーーー!!!!!
また思い出しちゃったよお!
くそお、一生の汚点だ。
大体、泣いてて疲れてたし、なんか安心しちゃってたんだ。
だから・・・・その・・・。
っはぁ・・・。気付いたら寝ちゃってたんだもんなぁ・・・・・。
あたいって間抜けだ〜。

で、でも明日は大丈夫だ!
最近はちゃんと寝てるしな。
今日も早く寝よーっとw
2004年3月5日(金) No.34

後30分。
んー・・・・。
確か、さっき起こされた時は、8時・・・だったよな。
なんで今、9時?

やばいじゃーっん!!
後30分であいつ来ちゃうよ!
「服っ!服!じゃない、先に顔洗って、それからそれから・・・・あ〜、飯も食わなきゃいけないのに!」

って、何、何の音?
携帯?携帯か、どこだ携帯・・・・。
「あった。――もしもし?」
『おはよう悠理。起きてましたか?』
げっ。
「あ、当たり前だろ」
『ほお。じゃあ準備ももうできてますよね』
「ま、まあな」
・・・・全然。
『そうですか、それは良かった。後5分で着きますから、下で待っててくださいね。じゃ』

「じゃ」、じゃなくてさ。何だよ後5分て。
なに30分も前に来ようとしてんだよ。
って、落ち着いてる場合じゃないぞ、あたい!

とりあえず顔洗うのと着替えだ!
2004年3月6日(土) No.35

ちぇー。
鼻水が止まんない〜。
おっかしいなぁ、ちょーっと遊んだだけなのに。

身体はそんなダルくないんだけどなぁ。
鼻水とくしゃみがどーにもこー・・・・
「はーっくしょい!」
あ〜・・・ホント止まんない。

「やっぱり今日は帰って寝てた方がいいんじゃないですか?」
「だーいじょうぶだって。・・鼻・・・だけだんだかだ・・」
うわ。スゴイ声。
ヤバいなぁ。・・・またこいつ怒りそう。
だから言ったじゃないですか。とかなんとか。
・・・だって、楽しかったんだもん。

「ダメだ。やっぱり帰って寝てろ。熱が出たらどうするんですか」
「だいじょ・・・・っえっくしょい!」
「ほらみてみろ。酷くなってる」
「う〜・・・」

ちぇ。もうちょっと一緒にいたかったのに。
・・・でも、こいつに移ってもヤだしなぁ。
ちぇー。ちぇー。
2004年3月7日(日) No.36

うぅ〜・・・。
身体、だるいぃぃぃ。
熱出てきたのかなぁ。でも寒気はしないし。
昨日あんま寝れなかったもんなぁ。
・・・・・清四郎が、さ・・・・・・だってまさか・・・・・・でも、あれってきっと、そうだったんだろうし・・・・。
なんかそう考えたら、全然寝れなくて・・・。
って、っはぁ・・・・。
でもあたいってば思いっきりあいつの顔にくしゃみしちゃったんだよなぁ・・・・。
すんごい、最悪のタイミングで。

だって、仕方なかったんだ。我慢できなかったし。
なんか、ほっぺとか首とか、あいつの手が触ったらムズムズしちゃって、って、うわーーーーーー!
あたい何、思い出してんだよお。
熱い〜。熱い〜。

・・・・うぅっ。ダメだ。本当に熱出るかも。
今日はもう家帰って寝よ・・・・。
2004年3月8日(月) No.37

ふ〜。
なんとか、鼻止まったな。
ホントに参るよな。あの鼻水とくしゃみには。
でも今日は一日どっちも出なかったし、もう完璧だなw

あいつも薬作ってくれるんならさっさと作ってくれりゃ良かったのに。
「今日"やっと"できました」
だなんて、ホントかよ。

でもまぁいいや。治ったんだし。

それにしてもやっぱあいつってすごいよな。
こんな簡単に薬作っちゃったりとかするし。
一杯色んなこと知ってるし、なんだって出来て、その上強いし。
・・・・・出来ない事とか怖いモンとか、全くないのか?

なんかちょっと悔しいかも。

ふっふっふ。明日から探してみっちゃおっかな〜♪
2004年3月9日(火) No.38

むぅ。
何だよ、また兄ちゃんて。
そんなに"仕事"すんのが楽しいのかってんだ。
清四郎のバカ。

そりゃさ、大事な用だってのはわかってるし、清四郎が「やりたい」って言った訳でもない。
兄ちゃんが、仕事の為に・・・だから、結局は剣菱の為に付き合わせてんだ。
だからあたいがとやかく言っちゃいけないんだけどさ。
でも・・・・。
あの楽しそうな顔がなーんか、むかつく!

くそお、こうなったらあいつの弱点探しより先に、兄ちゃんの弱点見つけてやる。
そんでもう金輪際、あいつに仕事手伝わせないようにしてやるんだ!
2004年3月10日(水) No.39

べ、別に。
ヤキモチなんかじゃないってんだ。
可憐のやつ馬鹿言いやがって。
なんだってあたいが"仕事"なんかにヤキモチ妬かなきゃいけないんだよ。
ただ、仕事するって時のあいつが楽しそうなのが嫌なだけなんだ。
うん、だからやっぱりヤキモチなんかじゃないよな。

でもとにかく今回のはもういいんだ。
昨日は兄ちゃん帰ってこなくて弱味見つけらんなかったけど、今日こそ探してやるし。
それに日曜日はずっと一緒にいられるし、な。
あ〜!まだ照れる!
2004年3月11日(木) No.40

フッフッフ。
ん?メールか?
「なんだ、可憐じゃん。どしたんだ?」

はぁ?ヤキモチ〜?
放課後のアレが、か?

・・・でも、そういや、ちょっと機嫌悪かったかも。


ンフフフフー。
そうなんだ〜、そうなんだ〜♪
ばっかだねぇ、あいつも。
いいじゃん、クッキーやるぐらいさ。
偶々隣に居たんだし、それに余ってたやつなんだし。

でもあいつでもヤキモチとか妬くんだな。
あたいだけかと思ってたけど。
何だよ、可愛いじゃん。クックック。

そうだw
日曜日、このネタでからかってやろ。
いっつもいぢめられてるもんな〜。
仕返し、仕返し。

っと、その前に可憐に返事だ。
2004年3月12日(金) No.41

ちょっとだけ。
もう着いたかなー。
何時ぐらいに終わるもんなんだろ。
やっぱ電話とかしちゃまずいよな。
飯食うって言っても仕事なんだし、一応。
うーん。でも兄ちゃんが出てったのが・・・30分前か・・。
それから清四郎ん家に寄って・・・。
何処かの隠れ料亭だとかなんとか言ってたよな。
てことは遠いかも。
・・・じゃぁ、まだ着いてないかな。
ちょっとぐらい・・・・・。

んー。でもなんて言おう。
声が聞きたかった、なんて死んでも言うのヤだし。
でもなぁ・・。

はぁ。学校以外で会わないのも、声聞かないのも、一ヶ月前は当たり前のことだったのになぁ。
なーんか、つまんない。

・・・やっぱ、ちょっとだけ電話しちゃお。
2004年3月13日(土) No.42

敵わないよ、やっぱり。
昨日兄ちゃん、帰ってくるの遅かったし、だからこいつもやっぱり疲れてるだろうなぁ、なんて。
だから、元々のんびりする予定だったけど、それでももっとのんびりできたら・・・・なんだったら、寝ちゃったりしても言い訳できるように、わざとつまんない映画持ってきたのに。

なんだって、こいつはあたいの顔見てんだよ。
恥ずかしいじゃないか。

「なんだよ」
「ん?」
「じっと人の顔見て。なんだよお。映画観ろよー」
「悠理見てるほうが面白いですから」
むーかーつーく。ホントこういうトコむかつく。
せっかく人が気を使ってやってるのに。
・・・そりゃちょっと、またあたいの事枕にしちゃってもイイぞ〜なんて思っちゃったりもしてなくはないけどさ。
でも"面白い"だぁ?
「映画観ないんならあっち向いてろよ」
「嫌ですよ。どうしてそんなあさっての方向向いてなきゃいけないんですか」
「じゃぁ、あたいの顔なんて見んな。このスケベ」
つっても、絶対こいつは向こう向いたりなんかしない。
あたいが嫌がる事が大好きなんだからな。
だからあたいが、あっち向いてやる。
「映画観ないんですか?」
「お前があっち向くまで観ない」
フンっ。
「・・・・・・・わかりました。じゃぁ、暫くそっち向いててくださいね」
って、
「なんでだよ!」
あ、振り向いちゃった。
イヤイヤ、そういう事じゃないぞ、あたい。
なんであたいがずっと横むいたまんまいなきゃいけないんだよ。
「ハイ、ちょっとの間ですから」
う。なんか企んでる。絶対なんか企んでる。
「・・・・・なんか変なことすんじゃないだろうな」
「言う事を聞かないのなら、します」
うわ、眼がマジだ。
余計な事言うんじゃなかった。
大人しくしてよ。
「じっとしててくださいね」

なにすんだろお・・・。
言う事聞かなかったら変な事するって事は、聞いてる間はとりあえず大丈夫って事だよな。
でもこいつの変な事と、あたいの変な事はなんとなく違う気もする・・・。
てことはやっぱり、今の状況ってマズイ・・?
や、や、でも。いくらこいつでも・・・って、何、なんだ、この音。
しゅるしゅるって。
パカ・・・?箱、か?あ、じゃぁさっきのは・・・リボン?
・・・わからん。何する気だ、こいつ。
はっ。まさか自分ひとりで何か美味いお菓子でも食う気なんじゃ。
って、まさかなぁ。
う〜む・・・・・・・・・ん?

あ・・・・うそ・・。
2004年3月14日(日) No.43

敵わないよ、やっぱり。
・・・・・ゆび、わ・・だ。
「また、不安にならないように」


バカ。
もう、ならないよ。
だって、この間いっぱい言ってくれたじゃん。
こうして、ぎゅってしてくれるし。
さっきまでみたいに、手だってずっと握っててくれて・・・・。
だから、もう、なんないよ。
・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・たぶん、だけど。
だって、
「・・・わかんないぞ。指輪があってもまたなるかもしれない。・・・・・・・・お前の趣味ってあたいをいぢめる事だろ?このサド男〜」
なんて。
へへん、だ。でも反論できないだろ?
「・・・・ほお。言うようになりましたねぇ、悠理も。ついこの間までこうして抱きしめただけで真っ赤になって緊張していたくせに。随分余裕じゃないですか」
ヤバ。
この声、キライだ・・・・。
「もうくしゃみは止まりましたよね」
・・・。
まさか・・・。

「眼を開けてくださいよ」
だって。
「悠理・・・」
なんでこいつ、こんなに色んな「声」になるんだよお。
さっきまでヤな「声」だったのに。
・・って、あれ。こいついつの間に正面に来てんだ。
違う、あたいの向きが変わったんだ。
ぎゅってされてんの気持ち良かったのに。
でも、この眼、好きだからイイや。
手も暖かい。大きいし、優しいし。

・・・・・・・・・・・・ん?・・はっ!
そんなボーっとしてる場合じゃないじゃないかっ!
うわっ、うわっ、うわ〜っ!

「ホントに面白いな、お前は」
なにがだよ・・・。
「よくもまぁ、この短時間にそれだけ表情がコロコロと変えられますね。でもいい加減落ち着いてくれると有難いんですが?僕もそろそろ限界なんで」
「限界ってなんだよ、限界って。大体好きで変えてんじゃないわい」
って。あー。また笑ってる。
「眼を閉じてくれますか?」
さっきは開けろって言ったくせに。
っていうかなんだよ。普通さぁ、こういうのって・・・その・・・もうちょっと・・・こう、雰囲気とか・・・・。
だって、は、初めてなんだぞ・・・。
「悠理・・」
って、うわ〜。もうギリギリんトコじゃないかー。
う〜・・・顔熱いよお。
涙出そう。
でも、でも・・・・。


「―――うん・・・」

2004年3月14日(日) No.44

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清四郎氏の場合
みんなのつぶやき


背景画像 ふわふわ。りさま

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