「ねぇ、ねぇ、昨日の映画どうだった?面白かった?」 「う、うん。面白かったぞ!すっごい迫力だったし。な、清四郎?」 「えぇ、結構面白かったですよ」
なんて。うわ〜。どうしよう。 頼むからこれ以上、突っ込んだ事訊くなよお。 何にも覚えてないんだからさぁ。
まさか。気がついたら映画終わってた、だなんてな・・・。 ちくしょー。あの映画、ずっと楽しみにしてたのにー。 やっぱなぁ、最近寝不足気味だったしなぁ。 暗くなり始めた時からヤバイな、とは思ってたんだよなぁ。 それがいつのまにか、清四郎の肩、枕にして眠っちゃうなんて・・・。 で、でも!コイツにだって、責任はあるんだ。 寝れなかったの、こいつの所為だし、それに本当は映画館でも途中で1回目が覚めたんだ。 それなのに、コイツがあたいの事枕にしてるから、あたい動けなくなって・・・。 いや、それで、また、いつのまにかあたいもそのまま寝ちゃったんだけどさ。 ・・・・だって、なんか、気持ち良かったし。
と、とにかく、うん。そうだよ、あたいが寝ちゃったのもこいつの所為なんだ。 だから、あん時は咄嗟に「なんでもするからみんなには黙ってて」って言っちゃったけどさ、コイツの言うこと聞く必要はないよな。 それよか、もう一回映画付きあわせてやる! ちゃんと観たいし。 うん、そうだ。 ふふ〜ん、イヤとは言わせないもんね〜。 脅し文句はこれで決まりだな。
「お前だって、あたいの事枕にして寝てただろう」
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