ドキドキドキドキドキドキドキ・・・・。 って、何!なんであたいこんなに、心臓バクバクしちゃってんだよ。
「悠理、聞いてるんですか?」 「え、あ、うん、聞いてるきてる」 なんて嘘、大嘘だ。 さっきから、こいつの顔がすぐ近くにきたり、手がノートとかテキストとかの上を動く度、心臓は痛くなるわ、顔は火照るわで、話なんか聞いちゃいられない。
大体。なんなんだよー! あんだけ昨日「もうこいつのことは一切考えない!」って固く決心したのに。 なんでいきなり来るんだよー。
「暇だったので家庭教師にでも」だと? なんで暇なんだよ。お前は忙しくなきゃいけないのっ。 じゃなきゃなんで一昨日いなかったのか、また理由考えなきゃいけないだろ。 って、だから別に考えるも何も、関係ないんだけどさ。 って、あ〜!あたい、変!絶対、変!
「悠理」 「え。な、何」 うわ、怒られるのかな。ヤバイ、あたいなんにも聞いてなかったぞ。 「一昨日のことなんだが・・・」 「え」 ・・・・な、に? 「魅録が告白されたの、知ってますか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?
「あの日、悠理、部室に来なかったでしょう。だからまた僕の時みたいに、その場に居合わせたんじゃないかと思ってね」 あ、あの時、みたいに、ってことか? うわ、まただ。またなんか胸がきゅって・・・。 でも、ビックリしたけど、あの後のケーキ、すごくおいしかったんだよな。 こいつもさ、なんか、ちょっと、その・・・優しかったし。 それに。そうだ、この間はさ、「こんなトコにクリーム付けて」なんて人に言ったくせに、自分だって付けてさ。 仕返しにそのクリーム取って食ってやった時のこいつの顔♪ 今思い出しても、おっかしーw
「・・・・やっぱり、一緒だったんですか」 ん?なにが? 「また、泣いたんですか」 「誰が?」 何の話?あちゃ、あたい、また聞いてなかった。 にしてもなんで、こいつこんな怖い顔してんの? 「誰がって、悠理がですよ。魅録が告白されている所に居合わせて、また、驚いて泣いてしまったんじゃないですか、と訊いてるんです」 「なんであたいが泣くんだよ、魅録が告られたからって」 て言うか、なんでお前そんな怒ってるんだよ。 「だって悠理、僕の時泣いたじゃないですか」 「あ、アレはあたいだってよくわかんないって言ったろ。大体なぁ、魅録が告られたのだって、あたい今初めて聞いたんだぞ」 「え?」 え?じゃないわい。 何だってんだよ。今更、泣いた事持ち出してきたりして。 そりゃあん時のことはあたいにだって未だによくわかんないけどさ。 でもそんなしょっちゅう泣きませんーっだ。 「あたいあの日、先公に捕まってたんだよ。お前が、あの日、追っかけてくるから・・・」 「は?」 「お前と鬼ごっこしてたって、怒られてたの!」 そうだ、こいつ本当に怒られたのかな。・・いや、絶対何も言われてないな。 「怒られたって・・・。アレで、ですか?フム、僕は何も言われてませんけどねぇ」 「やっぱり。ぜーったい、そうだと思ったんだ。だってあいつ、お前の事贔屓してるもん」 「あいつって、だれです?」 「英語の竹桜」 あいつなにかって言うと、いっつも清四郎や野梨子の事引き合いにだすんだ。絶対、贔屓してる。 って、何。 なんでそんな嬉しそうな顔してんだよ。 まさか、お前あいつに贔屓にされてんのが嬉しいのか!? 「そうですか、怒られてたんですか」 あー!喜んでる。あたい一人怒られたの、喜んでる。 やっぱり、こいつってばムカつく。
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