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宇宙大怪獣ドゴラ
1964年東宝作品。
封切られたのは8月である。

やや小品かな、という作品である。
何せこの年春は「モスラ対ゴジラ」、年末は「ゴジラ・モスラ・キングギドラ三大怪獣地球最大の決戦」が上映されているのだ。

でもスタッフは最強だ。
製作    田中友幸 田実泰良
監督    本多猪四郎
特技監督  円谷英二
監督助手  佐野健
脚本    関沢新一
原作    丘見丈二郎 「スペース・マンモス」
撮影    小泉一
音楽    伊福部昭

そしてキャストは。
主演に夏木陽介。
若林映子、藤山陽子、藤田進、小泉博、田崎潤、とおなじみの方々が出演されている。
また渋いところで、河津清三郎という方も出演されてます。
ダン・ユマという外人さんも出ていらっしゃいます。

問題は内容である。
この作品の本流は謎の「ダイヤ強盗団」とそれを追う刑事の話なのである。

宇宙怪獣ドゴラは何と主役ではないのだ。
そしてこのドゴラというのは石油や石炭が大好きという変った奴なのである。

まあ人類の敵には違いないのだが、今までの東宝特撮に登場した連中とはかなりタイプが異なる。
ただし、SF的興味はある。
宇宙からの侵略者なのだから。

だから怪獣とSFとアクション物を一緒にした映画なのである。
こうなるとかなり、メチャクチャな作品のようであるが、さすが東宝特撮。
けっこういい惹き込まれる作品に仕上がっているのである。

特撮シーンはけっこうすばらしい。
ドゴラと人間との攻防戦は二回あるのだが、どちらも中々の迫力で惹き込まれる。
ドゴラには弱点があり、これで人間は対策を考え、挑戦するのだ。
そのラストの特撮も見事なできだ。
伊福部マーチもとてもマッチしている。

あまり特撮ファンの間では人気がないようだが、私は観る価値は十分あると考えている。





2007年3月28日(水) No.10

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