なんとなく、僕らの結婚式の写真をUPしてみました。
幸せいっぱいな一枚です。
さて本題。 あなたは、「やらなければよかった」と心の底から思ったことがありますか?
僕とケダマは数ヶ月前、新婚旅行でバリ島に行きました。 暖かい気候、おいしくて安い果物。荘厳な遺跡群。極楽気分を味わえるバリ式エステ。どれも最高でした。
ただ、街の中では売り子がとにかく多く、日本人は金持ちだと思ってるらしく隙あらば物を売りにやってきます。
僕とケダマは、お土産を買うべくバリの下町を散策していました。 売り子のしつこい販売には目もくれず、店に入って値切り交渉を楽しみつつ買い物を楽しむ二人。
ふと、売り子が呼び止める声に立ち止った。
それまでのオジサンの売り子の声とは明らかに違う子供の声。 振り返ると、5〜7歳くらいの子供がこっちに営業笑顔を向けていた。 二人とも片手には皮紐製の粗末なミサンガを握っていた。
「5000ルピア!5000!」
ミサンガをこちらに向けて値段を言う子供たち。ルピアとは、バリ島含むインドネシア通貨。5000ルピアとは、日本円にして50円くらいだと思ってもらいたい。
ケダマと色を選び、数本ミサンガを買ってみた。 いびつだけど、きれいな色だった。
子供たちに腕に結ってもらい、礼を言ってその場を立ち去ろうとした時、 子どもたち二人が僕らに両手を差し出した。
「ジャパニーズコイン!ジャパニーズコイン!」
どうやら、日本の硬貨が欲しいらしい。子供らしく外貨に興味があるんだなと財布の中の10円玉を渡そうとすると・・・・
「500エン!」
・・・・くっ!このクソガキどもめ!ミサンガの10倍やんけ! 二人で1000円かよ!
結局渡してしまいました。
それぞれ500円を手にした子供たちは、二人で手を叩いてピースして喜んでいた。・・・そこまで喜ばれると、なんだか1000円だけでは申し訳ない気分になってしまう。
まぁ、喜んでくれたしいいかと立ち去ろうとすると、後ろから肩を叩かれた。振り返ると、見知らぬ物乞いっぽいオジサンが「俺にも」と言いたげに両手をこちらに向けていた!ていうか、周囲の大人もなんかこっちをチラチラ見てる!
「キュートボーイオンリーーーーーーーーーーー!(意味不明)」
とりあえず、よくわからない叫びを残し、そそくさと宿に逃げ帰りました。ある意味僕が一番怪しかったかも・・・。
宿の一室で、迂闊に路上で金を出すもんじゃないと思いながら、僕はふと思い出した。
・・・そういえば、換金所では1000円単位で日本円をルピアに変えることができるんだっけ・・・
二人で500円ずつ欲しがっていた子供。外貨を欲しがるふりして、本当の目的は換金だったのは明白だった。
具がみっちり入ったハンバーガーが50円で買える国だから、1000円っていったら、結構な大金かもしれない。50円のミサンガ売ってる子供たちにしてみれば。
肩を叩いて500円せびってきたオジサンの顔がよぎる。痩せて、しわだらけの黒い顔。
・・・無事に、帰れたのかな。あの子たち・・・
生活に苦しければ、子どもから金を巻き上げることだってするかもしれない。巻き上げたお金でしばらく空腹をしのげるなら、そのくらいするかもしれない。
後悔した。
金なんか、安易に渡さなきゃよかった。 自分が手渡した金で、子どもたちが暴力を振るわれていたら?
そもそも、自分は何故見ず知らずの子供に1000円も渡したのか。
二人が、とても痩せていたから。 赤いズボンが汚れて、色褪せて茶色くなっていたから。
昼間にミサンガを売っている子供。当然、学校になんか行っていない。学がなければ、儲かる仕事なんか就けるわけもない。観光事業が多いバリ島では、ホテルもエステも商業も、日本語や専門技術が必須だ。学校も通ってなかった人に務まるわけがない。
子の幼い子供たちは大人になっても、こうやって売り子をするしかないのかもしれない・・・
そう思ったから・・・・
可哀そうだと思う傲慢な感情。 見下した同情。
自分の傲慢さに吐き気がした。 可哀そうだと同情して、金を渡して、ほんのちょっとでも彼らの力になってあげた気になって小さな満足をした。
金を渡した理由は、
それだ。
そんなちっぽけな傲慢な充足感のために、子どもたちが大人から暴力を受けていたら?考えすぎかもしれないけど、ありえる話だから・・・。
僕はいまだにこのときの自分が許せない。
あなたには、許せなかった自分がいますか?
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