二日酔い度 ★★
オレの名はジャック。 誰もそう呼ばないが、オレはオレをジャックと呼ぶ。 オレはたった一人で静かな大人の集まるバーをやっている。 もともとホテルのバーで修行を積んだ。 シェーカーさばきなら誰にも負けない。 読書が趣味で客との話題には欠かない。 本当に酒が好きな、オレの好ましい客が毎晩疲れを癒しにここに来る。 オレの作った酒を、ジャズに耳を傾けながら静かに飲む。 ここはオレの聖域だ。誰にも邪魔はさせない。 しかし冷静でクールなこのオレが、ここのところ頭を痛ませている。 このビルの3階に越してきたヤツらのことだ。 最初、看板が上がったときは、最近よくある女ばっかりのショットバーだと思っていた。バー、と言うんだから誰でもそう思うだろう。 女には興味はないが、オレよりも酒を語れる女だったら認めてやる。 そう思っていた。
ところが・・・・・・・・・・。
一応オープン前にはつまらない菓子を下げて挨拶に来た。 疲れ果てた年齢不詳の垢抜けない背の低い女が、 突然ドアを開けてオレの店に入ってきた。 すでに客もいる。営業時間中に失礼なヤツだ。 外には、これも年齢不詳の、男か女かもわからないサルみたいなヤツと もう一人女が立って、不安そうにこちらを見ている。
こいつらがガールズバー・・・・・・・?????
そしてヤツらの店がオープンした。 1階エントランスには、オレに断りもなしにデカい花が並ぶ。 そこでオレが見たものは、まさに下品で醜悪な世界だった・・・。
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