「お疲れさん」 「全くよ。あ〜くたびれた〜」 「本当ですわ」 「ごめんー」
やっと終わりましたか、ホワイトデーも。 全く、なんて数だったんだ。 野梨子も可憐も毎年の事とは言え配るのまで手伝わされて、本当にご苦労なことですな。 しかし。 相手が女性ばかりとはいえ少し妬けるな。 二人の話だと、一応は悠理が選んだものらしいし。 尤も、自分が食べたいもの欲しいモノリストの中から選んだらしいが。 にしたって、やっぱり、ね。 ・・・随分、料簡が狭いと思いますがね、自分でも。 でもこればっかりは仕方ない。 素直な気持なんだ。 ま、なるべく表面には出さないように心がけますがね。
「―――あれ?余ってる。・・・んー。魅録、お前食う?」 「クッキーか?そうだな、ってなんだよ、可憐」 「ん?どーした、野梨子も。顔色悪いぞ」
えぇ。心がけますよ。みっともないですし。
あぁ、みっともない。 ・・・・みっともないが、仕方ない。
「ひっ!ゆゆ悠理!俺やっぱいいわ!それ自分で食え!」 「え〜いらないのか?これ美味いのに。清四郎、お前は食うだろ?」
・・・・・・食べますよ。もったいないですしね。 二番手ってのが気に食わないが。
「――――これ、さ。あのケーキ屋のなんだ」 なんて。
ますますもって、他の誰かにやるのは気に食わない。 だけど、ケーキじゃないからまだ今回は大目にみましょうか。 あのケーキと悠理の手作りは、僕だけにして貰いたいですけどね。
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