目が赤いな。 それに表情も、何処か無理をしている・・・。
今日はお前が待ちに待っていた日じゃないか。 それも明日が休みだから、例年より一日早いというのに。
何があったんだ。 昨日からろくに口もきかないし、本当に僕がなにかしたのか?
「清四郎、何か悩み事でもありますの?さっきから怖い顔して」 「あぁ、野梨子。いえ、別になにも?」 「そうですかしら」
そういえば、昨日野梨子が一緒だったはず。 何か知っているのか?
「昨日、何かあったんですか。悠理のヤツ、様子が変ですが」 「変ですかしら。私はそう思いませんけど」 「変ですよ。眼だって赤いし・・・」 なんだ・・・?野梨子の様子もおかしくないか? 何がそんなに、可笑しいんだ?
「何か、隠していませんか」 「気になるのでしたら、直接本人に聞いた方がいいのじゃありません?」
それは、そうなんですがね・・・・・。
「何をそんなに躊躇するのかわかりませんけど、もう少し、簡単に考えてみてはいかが?」 「どういう意味ですか?」 「いずれわかりますわよ。それじゃ、私今日は先に失礼しますわね」
簡単に・・・と言われても。 そうですね、とりあえず今わかっているのは・・・・。 悠理の様子がおかしい。 それも昨日から。 今日なんて、眼が赤くて元気がない。 そして、それが・・・・・・・・気になる。
気になって、仕方がない・・・・。
「じゃあね。―――魅録、あんたまだ帰らないの〜」 「お?お、おぉ、帰る帰る」
なんだ?魅録のヤツ。急に慌てて。 可憐も・・・。悠理と帰るんじゃないのか、さっきまでアイツの事、慰めていたように見えたが・・・。 しかし、ということはふたりきりですね。 どうせ美童は今日はもう来ないだろうし。
邪魔が入らないうちに、確かめますか。 あいつの、あんな表情の理由を。
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