+++清四郎氏の場合+++


2004年2月〜3月の日記
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泣いたの・・か?
目が赤いな。
それに表情も、何処か無理をしている・・・。

今日はお前が待ちに待っていた日じゃないか。
それも明日が休みだから、例年より一日早いというのに。

何があったんだ。
昨日からろくに口もきかないし、本当に僕がなにかしたのか?

「清四郎、何か悩み事でもありますの?さっきから怖い顔して」
「あぁ、野梨子。いえ、別になにも?」
「そうですかしら」

そういえば、昨日野梨子が一緒だったはず。
何か知っているのか?

「昨日、何かあったんですか。悠理のヤツ、様子が変ですが」
「変ですかしら。私はそう思いませんけど」
「変ですよ。眼だって赤いし・・・」
なんだ・・・?野梨子の様子もおかしくないか?
何がそんなに、可笑しいんだ?

「何か、隠していませんか」
「気になるのでしたら、直接本人に聞いた方がいいのじゃありません?」

それは、そうなんですがね・・・・・。

「何をそんなに躊躇するのかわかりませんけど、もう少し、簡単に考えてみてはいかが?」
「どういう意味ですか?」
「いずれわかりますわよ。それじゃ、私今日は先に失礼しますわね」

簡単に・・・と言われても。
そうですね、とりあえず今わかっているのは・・・・。
悠理の様子がおかしい。
それも昨日から。
今日なんて、眼が赤くて元気がない。
そして、それが・・・・・・・・気になる。

気になって、仕方がない・・・・。


「じゃあね。―――魅録、あんたまだ帰らないの〜」
「お?お、おぉ、帰る帰る」

なんだ?魅録のヤツ。急に慌てて。
可憐も・・・。悠理と帰るんじゃないのか、さっきまでアイツの事、慰めていたように見えたが・・・。
しかし、ということはふたりきりですね。
どうせ美童は今日はもう来ないだろうし。

邪魔が入らないうちに、確かめますか。
あいつの、あんな表情の理由を。



2004年2月13日(金) No.16

悠理。
問い詰めようとして、逃げようとした腕を捕まえて、気がつけば抱きしめていた。
何の違和感もなくすっぽりと収まる悠理の身体は、いつか思ったように、やはり小さい。
そして、何故か安堵できる。
抵抗しないのをいい事に、更に、その柔らかな髪に顔を埋めた。

それで、避けていた理由を問いただしたい気持がなくなったと言えば嘘になる。
だが今こうしていられる事は、何事にも変えがたい。
だから今は何も言わずに、ただこうしていよう。
全く、エゴとしか言いようのない、自分勝手さだとは思うが。

恐らくこの感情は、・・・きっとそうなのだろう。
思えばずっと、悠理の周りに誰か男がいると思うことが腹立たしかった。
ずっと、悠理の笑顔を見たかった。

本当に、簡単なことだな。

――――こんなにも愛しい。


「・・・・しろ・・・」
「ん?」
不思議なほど大人しかった悠理が、僕の胸に顔を埋めたまま呼ぶ。
体を離してしまうのが惜しくて、抱きしめたまま、返事をした。

「ケーキ、食う?」
「ハイ?」

恐れていた事――拒絶――では、なさそうだ。
だが、いきなり「ケーキ、食う?」とは・・・。
いや、悠理なりの拒絶なのだろうか。拒絶と言うより、はぐらかす。
はぐらかして、何もなかったかのようにしようというのだろうか。

まさかな、こいつはイヤなら考えるより先に手か足が出るだろう。
・・・・・・出る、筈ですよね・・・・。

「な、食う?」
所在なさげに添えられていただけの悠理の手が、僕の制服をぎゅっと掴んだ。

「あるんですか?ケーキなんて」

こくんと頷いた悠理がその後出してきたモノと、「バレンタインだから」との真っ赤な顔での一言に、再度・・・いや先ほどよりずっときつく、抱きしめた。



2004年2月13日(金) No.17

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悠理嬢の場合
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