また一睡も出来なかった・・・。 はぁ。一言訊けばいいだけの話なんですけどねぇ・・・。 どうしてそれが出来ないんだか。 でも今日はなんとかしないとな。 これじゃ、身が持たない。 それに、あいつのあんな顔、もうこれ以上見たくない・・・。
「悠理」 「な、何・・・」 「少し話があるんだが」 「・・・・・うん」
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「何か、怒ってますよね」 ふたりきりで話せる場所といえば、ここしか思いつかなかった。 「―――怒ってるのは、お前だろ?」 体育館の裏だなんて、早々誰か来る場所でもないし。 とにかくハッキリするまで誰の邪魔も許さな・・・・え? 今、コイツはなんと言った?
「お前あの日の晩、うちに来てくれたのに、あたい、い なかったから・・・」
コイツは一体いつからこんな・・・・・。 「ちょっ!せ、清四郎!!」 離れようったってそうはさせませんよ。 離せるもんですか。 このまま体の中に取り込んでやりたいぐらいですよ。
全く。なんてカワイイ事言うんですかねぇ。 家にいなかったことを怒ってる?僕がですか? 怒ってるというより心配だったんですけどね。 でも、そんなに僕のこと気になりますか♪
「怒ってなんていませんよ。あの晩は僕が勝手に行っただけですからね。驚かせようと思って敢えて連絡しなかったんですよ」 「・・・・」 「僕の方こそ、悪かった」
って、そんな珍しいもの見るような眼で見なくても。 僕だって悪いと思ったらちゃんと謝りますよ。
それにしても・・・・。 あんまりこの体制で見つめられると、キスしたくなってしまうんですけどねぇ・・・。 でもここでそんなことすれば、間違いなく顔に痣ができるんでしょうなぁ。
ま、楽しみはもう少しとっておきますか。
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