やっぱりまだ様子がおかしいな。 話をするようにはなったが、目をあわせない。 また知らない間に、何かやってしまったんだろうか。
・・・思い当る節が多すぎるな。
とにかくそれは週末だ。 今訊いて答えるぐらいなら昨日、話しているだろうし。 とりあえず笑顔を取り戻すのが優先事項ですよね。 さぁ、乗ってくれますかね。 一晩かけて考えたとっておきのプランに。
「悠理」 「な、何・・」 なんだか警戒されているというか、いつでも逃げられる体勢を取られている気がする・・・。 「今度の土曜日なんだが、時間ありますか?」 「へ?」 「ふたりで出かけないか。先週は大阪に行く事になって何処にも行けなかったし」 って、悠理?今、顔が強張りませんでした?
「・・・・・・なんで?」 「は?」 何がだ?というか、どうして俯いてしまうんだ。 「なんで、誘うんだって訊いてるんだよ・・・・」 「なんでって・・・そりゃ、デートしたいじゃないですか」 良かった誰もいなくて。 こんなセリフ、人前じゃ絶対言えませんよ。特にあいつらの前じゃ。 でも正直な気持でもありますからね。 「デート・・・?」 お、やっと顔を上げてくれましたね。 呆けた顔なのがちょっと気になるが。 「悠理の大好きなディズニーランドなんてどうです?朝から晩まで楽しみませんか」 一晩中考えた挙句、思いついたのがこれだなんて自分でもどうかと思うのだが、悠理にとってはやっぱりここが一番いい気がする。 特に今みたいに塞ぎこんでいるような時は。 って、何故泣く・・・・。 「嫌、でしたか・・・。悪い、デートと言っても正直何処に行けばいいのかわからなくて。他にどこか行きたい処ありますか?」 まさか泣くほど嫌がられるとは・・・。 「違う・・・。違うんだ・・・・」 だから、泣かれると体が勝手に・・・・。
相変わらず小さい体だな。 でもなんだか寛げるんだから不思議としか。 きっと何があっても離せないし、誰にも渡せないな。 なんて、絶対言えないが。 「場所はともかく、デートはOKしてくれますか?」 いっそ本当にふたりきりになれるところにしようか。 ふたりでずっとこうしているのもいいかもしれない。
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