『悪いね、こんな時間に。寝てたんじゃないかい?』 「いえ、大丈夫ですよ。まだ10時じゃないですか」
なんだ?豊作さんらしくもない。 なんだか、妙に焦っているな。 ま、真夜中と言う訳じゃないにしろ、こんな時間に僕に電話してくるぐらいだからな、何かあったのはあったんだろうが。
『今度の週末なんだけど、時間ないかな。急で悪いんだけど、どうしても僕の代わりに出て欲しいパーティーがあるんだ―――』
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「―――とりあえず明日、僕の方から悠理に話しますよ」 『大丈夫かなぁ・・・。ただでさえ予定変更になって怒りそうだけど』 「もしどうしても嫌だって言うんなら、無理強いはしませんから。それに出かけるのはいつでもできますしね」 『本当にいつも家族揃って、迷惑かけるね・・・・』 「とんでもない。それでは、失礼します」
ふむ。おじさん、またおばさんの事、怒らせたのか。 今度は何したんでしょうねえ。 それにしても、そのおかげで・・・まぁ、悠理からしたらその「所為」でなんだろうが、パーティーですか。 豊作さんも大変ですねぇ、おじさんの代わりにホワイトハウスの晩餐会だなんて。 疲れるんでしょうね・・・・同情してしまいますよ。
ともかく、僕もできるだけのことはしないといけませんね。 一応、豊作さんの名代だからな。
まずは悠理の説得か。 嫌がるでしょうねぇ、いつものよりビジネス寄りのパーティーらしいし。 でも豊作さんの名前を出せば、なんとかなるか。 悠理もおじさんの代わりに豊作さんが渡米しなきゃいけないことはわかってるだろうし、かといって本来、出なくてはいけないパーティーをすっぽかすわけにはいかないという事もわかってるだろうからな。
とりあえず、明日だ。
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