ふぅ・・・。やっと終わりましたな。 豊作さんも、大変ですねぇ。あんな連中の相手をいつもしているだなんて。
仕事の話だっていうんならともかく、着飾って上品ぶってはいても、見事に他人への嫌味と妬みと愚弄の応酬ばかりだったからな。 医者の世界の派閥も理解できないが、やはり何処に行ってもああいう輩はいるんですなぁ。 悠理は来なくて正解だったかもな。あいつなら、自分とは関係ない人間の事でもそのうち手が出そうだ。 ・・・・はぁ。今頃、どうしてますかねぇ。
僕の気持は、全くあいつに届いていなかったのか。 抱きしめた時、手を繋いだ時、ふたりでいる時。 あいつは、なにを思ってたんだろう。 ずっと僕の気持をあんな風に思っていたんだろうか。 僕があいつの気持ちを弄んでいると。
確かに言葉にしたわけじゃない。 言わなくても、わかっていると思っていた。
それがあいつを傷つけていたなんて。 ―――とんだ思い上がりだったな。
会えるだろうか、これから。 会ってくれるだろうか・・・。
|
|
|