やっぱりね。 悠理に手作りチョコを渡したい男なんている訳ないんだ。
「大体、昨日は別に買い物に行ったわけじゃないぞ。新しく出来たカフェがあるって言うから。なーそうだよな」 えぇ、そうよ。なんて、可憐と野梨子が頷いて。 ふん、ですよね。 他の二人ならともかく、悠理が男の為にチョコを作るだなんて、どう考えてもありえませんよ。 全く、一時でも信じてしまった僕がバカでしたよ。 おかげで論文がちっとも進まなかったじゃないか。 今夜こそ、仕上げなければ。 って・・・。僕は何をこんなにホッとしてるんだ。 イヤ、そもそも、どうしてそんなに気なっていたんだ。
あぁ、そうか。気になるのは別に不思議じゃありませんよね。何と言っても悠理なんですし。 悠理が手作りチョコを上げたい男がいるだなんて、誰でも気になりますよね。 こんな食い意地だけのヤツに、だなんて。 ハイハイ。あぁ、そうだ。そういう事だ。
なんて考えてるうちに、いつのまにかケーキが無くなっている。 向かいに座る魅録の視線を追うと、僕の隣で既に半分になっていた。
−−−−−−−−−−
って、またほらそんな所にクリーム付けて。いっぺんに頬張るからだ。 お前には頬にも口があるのか? 「悠理、誰も取りませんからゆっくり食べたらどうです?」 「これがあたいは普通なの〜」 ハイそうですか。 「こんなトコにクリーム付けて食べるが普通なんですか」 別にケーキを食べたかったわけじゃないが、味見ぐらいさせて貰ってもバチは当りませんよね。
・・・。結構甘いですね。
|
|
|