「あの・・・、ずっと好きだったんです!」
と、言われましても・・・。
「やっぱり、白鹿様とお付き合いなさってるんですか?」
そんな涙眼で見ないでくださいよ。おまけに誤解ですし。 「野梨子はただの友人ですよ」 「じゃぁ!」 って、だからと言って、あなたと「ハイ、そうですか」と付き合うとは言ってませんよ。
「申し訳ないですけど・・・」 ココはいつものようにお断りし・・・・・悠理?!
「剣菱様・・・」 「ご、ゴメン。お前が見えたから・・・え〜、その〜・・・・お、お邪魔さまっ」 「あっ!悠理!」
――追いかけなければ
え? 僕は、今・・・・。
―――違う。彼女とは何でもナイ 誤解を解かなければ。
・・・・?どうして。
気が付いたら走り出していた。
−−−−−−−−−−−
「悠理!」
こいつは一体何処まで逃げる気だったんだ。 やっと見つけたと思ったら、もう体育館の裏じゃないですか。スタート地点は、図書室前ですよ? しかも。
「どうして泣いてるんですか・・・」 「知るか!」
知るかって、なんで僕が怒られるんです? でも良かった捕まえられて。 これで誤解を解くことが・・・って誤解ってなんですか。 誤解も何も、さっきのはどう見ても告白されてるトコで、あぁ、そういえば断るのが中途半端になっていたな。 イヤ、まぁそれはいいとして・・・・だから誤解を。
「ケーキ、食おうと思ったんだ。昨日の」 え? 「昨日あたいが食っちゃったから」
その箱、ケーキが入ってたんですか。 でもさっき何度も落としてませんでしたか? って、え? 「食っちゃった"から"?」
「僕の、だったんですか・・・・?」 「美味かったし。・・・お前、昨日あたいの頬っぺたの食べたし。食いたかったのかと思って。・・・だから、一緒に食べようと思って・・・」
・・・・・・・。 ふ。こいつは、ホントに―――。
「丁度お断りするところだったんですよ。だから悠理が来てくれて良かった」 「・・・うん」 「ケーキ。貰ってもいいですか?」 「でも、きっとぐちゃぐちゃだぞ?」 「見た目より、味でしょ?」 あの時も思ったが、こうしてみるとこいつは本当に小さい。 僕の身体にすっぽり収まってしまうんだから。 これでちゃんと抱きしめれば、もっとこの身体は僕で隠れてしまうんでしょうねぇ。
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