+++清四郎氏の場合+++


2004年2月〜3月の日記
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弱ったな・・・
「あの・・・、ずっと好きだったんです!」

と、言われましても・・・。

「やっぱり、白鹿様とお付き合いなさってるんですか?」

そんな涙眼で見ないでくださいよ。おまけに誤解ですし。
「野梨子はただの友人ですよ」
「じゃぁ!」
って、だからと言って、あなたと「ハイ、そうですか」と付き合うとは言ってませんよ。

「申し訳ないですけど・・・」
ココはいつものようにお断りし・・・・・悠理?!

「剣菱様・・・」
「ご、ゴメン。お前が見えたから・・・え〜、その〜・・・・お、お邪魔さまっ」
「あっ!悠理!」

――追いかけなければ

え?
僕は、今・・・・。

―――違う。彼女とは何でもナイ
誤解を解かなければ。

・・・・?どうして。

気が付いたら走り出していた。

−−−−−−−−−−−

「悠理!」

こいつは一体何処まで逃げる気だったんだ。
やっと見つけたと思ったら、もう体育館の裏じゃないですか。スタート地点は、図書室前ですよ?
しかも。

「どうして泣いてるんですか・・・」
「知るか!」

知るかって、なんで僕が怒られるんです?
でも良かった捕まえられて。
これで誤解を解くことが・・・って誤解ってなんですか。
誤解も何も、さっきのはどう見ても告白されてるトコで、あぁ、そういえば断るのが中途半端になっていたな。
イヤ、まぁそれはいいとして・・・・だから誤解を。

「ケーキ、食おうと思ったんだ。昨日の」
え?
「昨日あたいが食っちゃったから」

その箱、ケーキが入ってたんですか。
でもさっき何度も落としてませんでしたか?
って、え?
「食っちゃった"から"?」

「僕の、だったんですか・・・・?」
「美味かったし。・・・お前、昨日あたいの頬っぺたの食べたし。食いたかったのかと思って。・・・だから、一緒に食べようと思って・・・」

・・・・・・・。
ふ。こいつは、ホントに―――。

「丁度お断りするところだったんですよ。だから悠理が来てくれて良かった」
「・・・うん」
「ケーキ。貰ってもいいですか?」
「でも、きっとぐちゃぐちゃだぞ?」
「見た目より、味でしょ?」
あの時も思ったが、こうしてみるとこいつは本当に小さい。
僕の身体にすっぽり収まってしまうんだから。
これでちゃんと抱きしめれば、もっとこの身体は僕で隠れてしまうんでしょうねぇ。


2004年2月5日(木) No.8

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悠理嬢の場合
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