「次は僕かなぁ〜。いやぁ、困っちゃうよね〜。」
"抜け駆け"ね。 バレンタインに告白されるのはよくあったが、その前にだなんて、不思議に思ってたんですよ。 女性と言うのは、なるほど色々あるものなんですなぁ。
で、今日はその抜け駆けした女の子が魅録を呼び出してるのか。 そういや、悠理もいないな。 もしかして、あいつまた妙なタイミングでその場に居合わせるんじゃないだろうな。 あいつならやりかねない・・・。
でもそうするとまた、あいつは逃げるんだろうか。 そしてまた・・・・、泣くんだろうか。 魅録なら追いかけるでしょう。そして慰める・・・・・昨日の僕のように? ・・・・・・・・・。 いや、だからと言って僕には関係のない事なんですがね。
・・・・・。 ・・・・・・・・。
「なによ、清四郎。難しい顔しちゃって。そんなしかめっ面してると、皺になるわよ」 「何か気になることでもありますの?」 「いや別に。それにしかめっ面なんてしてませんよ。これが元々の顔です」
でもしかし。 なんだか気分が悪いのは確かだ。 今日はもう帰るとしますかね。
|
|
|