「はーっくっしょい!」
だから言ったんだ、風邪ひきますよって。 せっかくお袋も姉貴も出かけてて、ふたりきりだってのに。 これじゃちっとも、"そんな"雰囲気になんかなりゃしない。
「やっぱり今日は帰って寝てた方がいいんじゃないですか?」 「だーいじょうぶだって。・・鼻・・・だけだんだかだ・・」 その鼻がヒドイって言ってんですよ。 思いっきり鼻声じゃないか。
はぁ、こんなことなら無理にでも止めるんでしたねぇ。 ついつい強請られて浜に降りたのがまずかった。 朝はあれだけ気持ち良かったのに、それから陽が翳ってくるんですもんねぇ。 あの肌寒さの中、水遊びをすれば風邪をひくのも当然ですよ。
「ダメだ。やっぱり帰って寝てろ。熱が出たらどうするんですか」 「だいじょ・・・・っえっくしょい!」 「ほらみてみろ。酷くなってる」 「う〜・・・・」
今日は悠理の部屋で過ごしましょうかね。 このまま返してもどうせ大人しく寝てなんかいないだろうし。 それに、やっぱりまだもう少し一緒にいたいですしね。
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