1時間目の休み時間。クラスは少し粟立ったような雰囲気を残したままだ。皆どこか浮かない顔をして、一人だけ取り残されるのを嫌うように、一つの塊になって家庭科室に向かっていた。途中、なめこがいった。
「何だか雨が降りそうね・・・。」 「うむ・・・。」
朝から雲は出ていたが、天気予報では一日晴れのはずだった。しかし、空は厚い雲に覆われていて、廊下はすこし薄暗かった。
家庭科室に入ったのは僕達が最後だったらしい。同じグループの黒味は先にみんなと中で話をしていた。
「お!遅いぞ二人とも〜!」
僕らのグループは入り口から最も近いテーブルで、黒味は窓に近いほうの席に腰掛けていた。なめこは黒味の隣、僕は向かい側に座った。さっきまでの雰囲気を蹴散らすかのように黒味はいつも通りにしている。
「なぁ味噌。」 「ん?」 「結局お前、どっちを忘れたんだ?」
「黒味・・・お前まで。」
つづく
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