創作捌け口


物凄い確立で多分間違いなくパラレルばっかです。苦手な人は戻るが吉。
2006年11月
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終焉の日3
俺が泣きやむのに結構時間を食った気がする。
だってこんなに疲れてて、こんなに頭が痛い。
俺が泣きやむまで『ムクロ』さんはそばにいてくれて何度も何度も俺と慰めてくれてたものだから、自分でも気付かないうちに『ムクロ』さんは良い人だと認識したみたいで、俺はすっかり懐いていた。

「ねぇムクロさん。」

「・・・綱吉君、僕の事は呼び捨てで良いんですよ。」

「え・・でもそんな」

「僕は綱吉君の部下という立場ですし・・」

でもどう見たってムクロさんの方が年上だし・・俺はそういうのを気にするタイプだから呼び捨てなんて出来るはずないと思う。
でも「さん」と呼べばムクロさんがしゅんとした顔になる。どうすればいいんだ。考えて数十秒。俺はふと思いついた。

「あ、じゃあムクロくんで・・いい?」

「くん・・ですか。それで綱吉君が良いのなら・・。」

「うん、全然良い!」

「分かりました。」

この人がいなかったら俺今も泣き続けてた。リボーンにしがみついて困らせてた。
優しい性格優しい声優しい笑顔、なんて安心できる人。俺の護衛を勤めると言うのだから間違いなく強いのだろう。
何て素敵な人なのだろうかと、恍惚としてしまう。何だか誇りに思えるくらいにムクロ君は魅力に溢れた人だと俺は感じた。

そんな時のことだった。
ノックもなしにドアが開かれた。俺はとつぜんのことにビックリして、一瞬硬直。
だけど俺の部屋をノックしないのはリボーンだけだったから、もしかしてリボーンが帰ってきてくれたのだろうかと期待してベッドから起き上がった。
その直後にまた硬直。
リボーンじゃなかった。そして、俺の知ってる人でもない。
でも誰だ、何て疑問は俺にはなかった。
直感で分かる。

この人は――・・・

「・・・・・・・ヒバリ・・・・・さん。」

「話は聞いたみたいだね。」

漆黒の髪に黒いスーツ。
『ヒバリ』さんは端麗な顔だったけれど、それよりも射抜くような鋭い威圧感のある目が俺にとって印象的だった。
身にまとうオーラが凛としていて、媚びる感じは全くない。
それは『ムクロ』さんもいっしょだけど。

「・・まず、最初にいっとこうか。」

「・・え?」

「僕は群れるのが嫌いでね。今の君と其処に突っ立ってる人形みたいに群れてる連中を見ると苛立ってくるんだ。」

其処に突っ立ってる人形・・って、ムクロさん?
突然現れていきなりこの一言。初対面なのか知り合いなのかは知らないけど『レイケツカン』だからってソレは余りにも失礼じゃないか?
呆然と立ち尽くす俺なんか眼中に無い。
ないのに俺に向けて言葉が飛んでくる。おかしな話だ。

「言うべきことは教える。でもちゃんとついてきてね。僕愚図嫌いだから。それから・・君・・・・名前何?」

おいおい其処からなのか。
ほんとに護衛する人?教育係?
訝しげな俺の視線はあの射抜く瞳に返されて、言うことを素直に聞くしかなかった。

「・・綱吉です。」

「綱吉。リボーンから話は聞いてる。とろくさいんだって。だから言っとくけど死ぬ気でついてきてね。死んでも知らないから。」

「・・そういう言い方よくありませんよ。将来君の上官になる人ですし・・」

「煩いな。黙ってなよ。人形。」

初めてムクロさんがヒバリさんに話しかけるとヒバリサンは最後まで聞くことなくあっさりとムクロさんを切り捨てた。
この人、失礼にもほどがあるだろ・・!!

固まったままの俺を見て更にヒバリサンは続ける。

「・・・何ボーっとしてんの。これでも忙しいんだからほら、準備する。」

「え、え、準備って・・」

「・・・・・・・・・・・ホンットに何も知らないんだね。愚図。」

言葉の暴力は何とも痛い。
俺を蔑む様な目。そして威圧感と言葉の暴力で抵抗する術も無く畏縮してしまった俺は頭をたれて『ごめんなさい』と謝った。
俺は弱いのだ。みっともないし情けないけど事実で、強い力の前には平伏すしかない弱虫なのだ。
でもこんな人間が世界的に有名なマフィアの10代目、という未来の予定があるらしい。だからムクロ君もヒバリサンもここにいる。

結局何なのかといえば、俺はヒバリサンに謝って黙りこくった。
でもそこで黙っていられなかったのが、ムクロ君だったのだ。
2006年11月1日(水) No.16

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