「・・・雲雀。」
「・・・誰に向かって呼び捨てしてるの。本来なら君みたいなのが僕と同じ空間にいるって思うだけで虫唾が走るんだ。ギタギタに噛み殺したくなる。」
「いい加減にしなさい。先ほどから暴言ばかりはいて。綱吉君は未来のボンゴレ10代目です。今はそうでなかったとしてもそういう暴言はファミリーの部下の中では許されることじゃない。」
「・・・人形が偉そうに。」
険悪な雰囲気から急速にぴんと張った息苦しい雰囲気に部屋が変わる。 睨みあったかと思うとヒバリサンが何処からとも無くトンファーを持ち出して構えた。
―――――――――――ヤバイ!
危険を察知して俺はムクロ君の腕にしがみつく。
「ムクロくん、も、いいからっ・・!!」
そう言ってとめた瞬間頬に衝撃があった。 俺は何が起こったのかわからないけど、今まで正面を向いていたはずなのに何故か左に顔が向けられている。 鼻から何かたれてきたのが分かる。口の中が鉄臭い。 痛い。・・・・・いたい?
痛みを今更自覚した。 俺はヒバリサンに何故か殴られていた。
「な・・なに・・・」
「僕の事はさん付けの癖して其処の人形はくん、なわけだ。」
人形遊びでも趣味にしてるの?馬鹿みたい。 吐き捨てるようにヒバリサンがそういった。 何がいけないの?何で怒るの。だってムクロ君は俺にすっごい優しくて親しみやすくて。でもアンタは正反対じゃないか! 俺はわけがわからなくて、痛くて、ヒバリサンにすごいムカついて、とうとうこらえきれずに怒鳴り散らした。 初対面の人に怒鳴るなんて初めてのことだった。
「アンタさっきから何なの!!?名前呼んでいきなり俺のコト殴るしっ大体さっきからムクロ君の事人形人形って何のつもりですか!失礼にもほどがあるっ!!」
「人形は人形だろ。あったま悪そうな言葉ばっか並べて。」
「ああそうですよ!俺あったま悪いですよ!でもね!人を人形扱いするほど『レイケツカン』じゃありませんから!!」
もう言ってる最中何が何だか分からなくて、どうすれば良いのか全然わかんなくて、なのに言ってしまった。『レイケツカン』って言葉。 言ってしまってヤバイ!と次の暴力を覚悟していたが、鉄拳は飛んでこなかった。
「・・へぇ。君結構言うね。」
「・・む・・ムクロ君・・のことは・・悪く言わないでください・・っ。」
「何で?真実だろ。」
「何が真実・・「・・リボーンから聞いてないのかい?」
「・・・え?」
「ソイツはボンゴレの特殊開発部によって作られた電子人形だよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「骸はロボットだって言ってんの。」
淡々とヒバリサンが言う。 何のことやらまったく分からない。ロボット?何の話? ムクロ君を見上げると俺の視線に気付いて困ったように笑う。 そんな彼が口を開いて出た言葉。
「・・彼の言うとおりです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ!!?
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