ムクロ君の 腕が もげていた。
「コレで「やめてっやだ!!もどしてぇええはやく!!いやだ!!」
「煩い。」
「はやくしてぇええええ!!!!!」
右はロボット左は鬼。 俺はどうすれば良い? 俺が叫んでヒバリさんがうざったそうに俺に怒った。 ムクロくんの腕ははずれていた。 でもだからどうなのかなんてわからない。 中に機械だかモーターだか詰まってるのかすらもう分からない。 見た瞬間思いっきり屈んでありったけの叫び声出した俺だ。見れるわけがないのだ。
ただどう見たって人の腕が、手と体が離れたようにしか見えなかったのだ。
「綱吉君、ちゃんとくっつけましたから。大丈夫ですよ。」
背中からムクロくんの優しい声が聞こえてくる。 俺を心配したような声が聞こえてくる。俺を慰めようとまた頭撫でてる。 この 手 が いま もげ た? ウソだ。信じられない。だって感触が人の手じゃないか。 ウソ。うそうそうそうそうそうそうそうそ。
屈んだまま振り向いた俺にヒバリサンは「分かった?」とさげすむような視線をよこしながら聞いてきた。
「あ・・っ・・な・・なん・・っ・・・あんた・・たち・・っ・・」
「ちゃんと喋りな。聞こえない。」
「・・・・・・・・・・・っ貴方達はっ・・なんなの・・・?!なんで・・な・・」
「・・頭悪い子、嫌い。言ったじゃない。護衛と教育を兼ねて・・「何で俺はっ!・・・・・・あ・・あんたたちにっ習わなきゃいけないの!?」
「・・何でって。」
ヒバリさんが困ったように眉を顰める。でもそんな事どうだって良い。 俺は確かに甘ったれだ。すぐリボーンとかディーノさんに泣きついて助けてもらっていた甘ったれ。でも、だから? 甘えるからって何で俺が人間みたいなロボットとロボットみたいな人間に教わらなきゃいけない? 他にもっといるはずだろ?だって世界は広いから!
「リボーンからの指名さ。」
「ヒバリさんは嫌じゃないの!?だって群れるの嫌いなんでしょ!?俺見てムカつかないの!?」
捲くし立てる俺の疑問にヒバリさんは一瞬動きが止まったように見えた。 でもその後に『うん。』と頷いた。 そりゃ嫌だよ。と素直にヒバリサンが言う。
「君怖がりで煩くて頭悪いもの。」
「じゃあ断ればよかったじゃないですかっ!貴方人に怯える人間じゃないし脅される人間でもないでしょう?自由気ままに生きてるんなら俺のコト断ればよかったじゃないですか!」
「計算違いだから。」
「・・・・・・・・・・・・・・え?」
「僕が言われたことはボンゴレ10代目の護衛と教育。わかる?君じゃなくてボ ン ゴ レ なの。」
「・・・・・。」
「僕だって知らなかったよ。君みたいに頭悪くて甘ったれが10代目なんて思わなかったもの。」
「じゃあ今から断ったって・・。」
「出来ると思う?」
「出来る・・・・?」
「馬鹿。出来ないよ。取引相手のリボーンはもういないんだから。それとも君、僕を解雇させる気なの?」
「そんな・・・。でも・・仮にボンゴレ抜けたって他にもっと・・。」
「のし上がっていくのに便利なのは世界的に有名なマフィアボンゴレだろ。他のトコでなんになる。僕は下につく気はないの。」
「じゃあ新しくボスになれば・・」
「君ホント頭悪いね。日本人がこの土地で上がっていくなんてどれだけ時間が必要だと思うの。」
「・・・・・・・・・・・。」
そんな事言ったって。嫌なら断れば良いじゃないか。 俺だってヒバリさんみたいな怖い人嫌だし・・。
「それにね。君は僕を追い出したいみたいだけど人形はいいの?」
「いいの?・・って・・・・・・・。」
「人形からの教育はいいわけ?人間が?」
「・・・・・・そん・・な。」
「・・・・考えなよ。決めてごらん。『10代目』。」
あっさり引き下がって早々にドアを開けてヒバリさんは出て行った。 『考えなよ。決めてごらん。』・・・・・何を? 俺が決める?解雇するとかしないとか、そういうこと?決めて良いの・・?俺が・・・!? だったらいうまでも考えるまでもない。決まり。俺解雇する。 もっと他に良い人だっているでしょう? 決めた!
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