【キンブリー×部下】 「大好きなんです」 「そうですか」 「どうして私を見てくれないんですか?」 「さて、どうしてでしょうね」 顔を上げようとして、後頭部を押さえつけられて、また顔を彼の肩口に埋める。 「どうして………どうして私の気持ちに応えてくれないのに私を手放してくれないんですか?」
「さて、どうしてですかね」
彼の手が優しく私の頭を撫でる。
残酷な人だと私はまた彼の肩を涙で濡らすのだ。
------------------- 【キンブリー×部下】
「好きですよ」 「嘘が下手ですね、少佐は」 「おや。本気だったんですが」 「私、嘘つきは嫌いです」 「貴女こそ嘘つきですね」 「………そうですよ。大好きですよ、少佐のことが。でも少佐はそんな感情面倒がって私を部下から外してしまうだろうから必死で隠して隠して隠して」 「よく分かっているじゃないですか」 「私は配属変えですか?」 「ええ、私の下には置いておけませんから」 「なら良いや。気兼無く聞いちゃいますけど、あの人の何処が良いんでか?」 「逆にお聞きしますが、彼女の何処がダメなんですか?」 「だって、何か刺々しいし、軍人嫌いだし、見てて良い気分のする人じゃないし」 「そうですね。刺々しい上に軍人嫌いで、見てて良い気分のしない人間ですね、彼女は」 「でもやっぱり好きなんですね」 「まあ、今までで一番優秀で一番信頼出来た副官を手放してでも、彼女の気を惹きたいと思う程に」 「何だ、私は被害者なんですね」 「そのようですね」 「安心しました」 「良かったです」 「たぶん、少佐はいつまで経ってもあの人を手に入れることは出来ませんよ」 「そうでしょうね」 「じゃあ、私は行きますね」 「お気を付けて。ああ、最後に」 「はい?」 「泣き顔を他人に見せるのはもう最後にしなさい。貴女の泣き顔は随分不細工ですから」 「御忠告いたみいります」
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大事、大事。 大事だから傷つけられない。 大事だから捨てられない。
そんな曖昧が一番相手を傷つけるのに・・・。
なキンブリー2つです。 キンブリーの片思いの相手はご想像にお任せ。 きっと片思いの相手は高潔な女性だろうなと思いながら書きました。
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