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堕天王の逝く道
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風邪は悪化し続けています
なので、今日も小説だけで。
辛い・・・。
なので、今日は小説を置いて寝ます。
ゴメンナサイ。
由紀子・夏樹編 1〜12話
http://www5f.biglobe.ne.jp/~pfive/tyouhen/yukine1.html
13話
http://diary5.net4u.org/scr3_diarys.cgi?action=article&year=2007&month=8&day=20&cat=2714datenou
14話
http://diary5.net4u.org/scr3_diarys.cgi?action=article&year=2007&month=9&day=28&cat=2714datenou
登場人物
http://www5f.biglobe.ne.jp/~pfive/tyouhen/cyara.html
由紀子・夏樹編 第十五話『赤鬼発現が招く災厄の足音』 その3
「まだ・・・心の整理が付いてない感じです。本当に・・・分からない」
今まで復讐の対象として捉えていた存在を、急に赦(ゆる)せ、理解せよと言われても、それは無理な話である。
「焦らなくていいわ。時間ならあるから」
椿の言葉に、櫻は安堵した様子で、『そうですね』と答えた。
普段はつけない古びたブラウン管のテレビをつけ、テレビを見ながら二人で食事を摂る。静かに言葉を重ながら、本当の姉妹のように――。
食事も半ば頃まで進んだ頃、居間に勝彦がやってきた。突然の来訪に、櫻と椿は驚く。基本、勝彦は居間には現れない。自室で過ごすか、自室にいないときは出張している時、という具合に極端なのだ。驚く二人に、彼は柔和な表情で、『孫娘たちの門出を見送りに来たのだ』と、言った。普段は厳格で、他者を寄せ付けない雰囲気の彼にしては、大変珍しい。
「はい、頑張ります」
椿の言葉に頷くと、満足げに居間を後にした。
「・・・驚きました」
結局、一言も言葉を紡げなかった櫻。椿は、嬉しそうに言う。
「変わろうとしている。全てが」
赤鬼の発現後、暗い雰囲気が漂いつつある現在。しかし、橘家はその流れに反して、家族の結束を固めようとしていた。そのきっかけを作ってくれた櫻に、椿は『櫻、あなたのおかげです』と優しく声をかけた。
食事も終え、櫻と椿は家を出た。橘家名物の長い石段を降りようとした椿は、視線に気付いて振り返った。視線の先には、社に隠れるようにして椿たちを見ていた母親の五十鈴(いすず)の姿が。椿が、もっとも認めたくない相手。きっと睨むと、すぐにその姿を完全に隠してしまった。
口が挟めない櫻。彼女も、椿と五十鈴の間に何があったのかは知らない。櫻がこの家に来た時には、もうこの距離感は出来上がってしまっていた。
「・・・何をしに・・・いまさら」
吐き捨てるように呟いた後、椿は石段を下りていく。
石段を降りて東側に少し進むと、古い雑貨屋がある。登校時間の今は、シャッターが下りている。その前で櫻が、急に話を切り出した。
「椿・・・姉さん。ちょっと、あの」
「どうしたの?」
言い淀む櫻。椿は、一旦歩みを止めて優しく続きを促す。
「・・・アイツとこの後合流・・・される・・・するんですよね?」
視線を逸らし、敬語を言い直す。
2007年11月12日(月)
No.387
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