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堕天王の逝く道
2007年11月
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しばらくはまともな日記にはなりそうにない
体調が極めて悪い。
頭が常にぼぉとなっている。
辛い。

なので、今日も小説だけ。
すいません。

由紀子・夏樹編 1〜12話
http://www5f.biglobe.ne.jp/~pfive/tyouhen/yukine1.html
13話
http://diary5.net4u.org/scr3_diarys.cgi?action=article&year=2007&month=8&day=20&cat=2714datenou
14話
http://diary5.net4u.org/scr3_diarys.cgi?action=article&year=2007&month=9&day=28&cat=2714datenou
登場人物
http://www5f.biglobe.ne.jp/~pfive/tyouhen/cyara.html


 由紀子・夏樹編 第十五話『赤鬼発現が招く災厄の足音』 その7

 それは夢。誰かの記憶。砕かれた情報の断片。
 目が覚めるとそれは、手の平から水が零れ落ちていくかのごとく、幾ばくかの残滓(ざんし)を残して消えうせる。由紀子は、不快な気持ちに頭を抱えつつ、机の上に置いてあったメガネをかけた。
「・・・またか。最近、ちょっと多いな」
 昔から、不思議な夢は何度も見てきた。しかしそれは、大体同じ内容だったのだが、最近はヴァリエーションが増えてきた。記憶には残ってはいないものの、違う内容だったことはそれでも分かる。ただ、同じ事は一つだけ。
 どんな内容であろうとも、起きた時の気分は最悪だということ。
 目覚まし時計を確認する。まだ七時前――逆に唯一の利点といえば、寝坊しないこと。深いため息を吐き、由紀子は制服に着替えた。着替えを終えて、しばらく部屋でぼぉとしていると、誰かが戸を叩いた。
「由紀子さん、起きていますか?」
 椿の声だ。その声が、由紀子の心に活力を呼び戻す。
「起きてるよ。おはよう、椿さん」
 戸を開けると、驚いた顔の椿がそこにいた。自力で由紀子が覚醒している事に驚いているのだ。
「お、おはようございます。珍しい事もあるんですね」
「そう、たまには起きてるわよ」
 『それよりも』と由紀子が続ける。
「今日から学校だけど、そこんとこ大丈夫なん? 緊張してない?」
 難しい顔の椿。それが全ての答え。
「かなりやばいです、実は。予約しておいていいですか?」
「予約?」
「緊急避難先の予約です」
 由紀子はそこで腹を抱えて笑った。気分を害した椿は、唇をとんがらせて『そんなに笑うことないじゃないですか』とぼやく。
「なんか椿さん、変わったね」
 笑いを堪えながら言っても効果はない。椿も不満そうにはしているが、内心は違っていた事に、由紀子が気づく事はなかった。

2007年11月16日(金) No.391

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