一回も日曜日に休みがないとか、笑えるの何の。電王が見れないじゃん。 昨日は、凄い豪雨でした。久し振りに雷にびびった。でも、涼しくならないのがまさにミステリー。
由紀子・夏樹編 第十三話『覚醒予兆 前編』 その7
櫻町に戻ってくる。まだ太陽は高く昇っているが、沙夜の体調も考えて早々にお開きとなった。 「沙夜さん、また私にチャンスをくださいませんか? 今回の失敗を返上したいのです」 沙夜は首を横に振り、そして告げる。 「また遊ぼう」 それは単純な言葉であったが、優子の心に強く響いた。結局、優子は『案内の人』であり、一緒に出かけているという感覚ではなかったのだ。それを知った時、優子は苦笑し呟く。 「まだまだですね。人並みというのがこんなに難しいとは思っておりませんでした」 「私が言うのも変だけど、お嬢は考えすぎなのよ」 「櫻さんから助言を頂くなんて、気が狂いそうですわ。ありえません」 「・・・食あたりにでもなって死んでしまえ」 「食あたりになるようなものは、口に入れませんからご安心ください。そちらこそ、拾い食いなんてしないように。世間様の目もありますから」 「してないわよ! 人聞きの悪い!」 やっぱり口では勝てそうにない、と櫻は心の中で毒つく。どんな言葉でも切り返してくるのだから、優子の口の上手さには驚かされる。 「櫻さん。水族館、四日後の同じ日でいいの?」 「あ・・・あぁ。お嬢もどうせ来るんだろう?」 「大垣水族館に行くならば、足が必要ですわ。こちらで用意いたしますが、櫻さんは超人ですから走ったほうが早くつくかもしれませんね」 「ふざけるな。いくらなんでも車と同じ速度で走れるか」 沙夜は、そんなやり取りを楽しそうに見守る。優子と櫻は、意外に気が合うのかもしれない。そんな事を口に出せば、二人同時に否定されそうではあるが。 「じゃ、櫻さん、優子さん、先に帰ります。今日はありがとうございました」 「またね」 優子が微笑み手を振る。さすがに作りの笑みではない。 「気をつけて帰りなよ」 心配してくれる櫻。その優しさが嬉しく、ちょっぴり泣きそうになる。 「うん、水族館楽しみ」 沙夜は、二人に手を振って家路へと付く。残された優子と櫻。先に口を開いたのは、優子の方だった。 「今日は助かりましたわ。でも、負けませんから」 「・・・気まぐれだ。二度はない」 「それはどうでしょう。まさに、ありえませんわ」 人を食ったような顔で話す優子に舌打ちをして、櫻も家路に付く。優子はその背中に、『悔しいのよ。とても』と呟いていた。
|
|
|