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堕天王の逝く道
2007年8月
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知り合いが病気
で、買い物計画がご破算。残念。二ヶ月ぶりだったのに。会いたかったよぉ。

アニメ、創聖のアクエリオンを見ました。曲だけは持っていたんですがね、『一万年と二千年前から愛している〜♪』という奴、本作をやっと見れた。
面白いです。純粋に。暑いですね(笑。そして、合体シーンがエロイ。しかし、ネズミを生きたまま喰う主人公・・・(苦笑。
「創聖! 合体! アクエリオン!」
素敵なアニメだ。

 由紀子・夏樹編 第十三話『覚醒予兆 前編』 その9

 その頃、櫻は大木公園の入り口の茂みの中にいた。始まりは一通の手紙だった。夕食の買い物を終えて整理していると、白いA4用紙を折りたたんだものが混ざっている事に気づいた。
『七時十分過ぎ頃、自宅前で待つ』
 プリンターで印字された、明朝文字。味気のない手紙であったが、看過できぬに理由があった。
 櫻は、並の人間ではない。日本でも三本の指に入るといわれる剣豪、橘勝彦に師事している剣士だ。除霊屋として、幾度も修羅場を潜り抜けてきた彼女に、その手紙の主は気配を悟らせなかったのだ。相手は、気配を消す事に長けているか、それとも櫻よりも相当強いという事になる。
 ということで、二十分ほど前から橘家の前ではなく、ここ大木公園の入り口――道路を挟んで向こう側の一軒の家を監視できる場所に潜んでいた。明かりも燈っていないその家は、櫻の生家だ。『自宅前』という言葉を見たとき、櫻はとっさに橘家ではなくこちらを思いついた。根拠はない。ただ、『自宅前』というフレーズが彼女にとって橘家ではなく、こちらの『藤堂家』のほうがしっくりと来たのだ。
 変化は、指定の時刻から二分遅れ、七時十二分に起こった。一人の男が、ポケットに手を突っ込み歩いてくる。ボロボロのジーパンに白いTシャツ姿。ボサボサ頭のその男は、まるで野猿である。男は、道路――すなわち櫻に背を向けて立ち止まった。
 間違いない――。
 櫻は、その男こそが手紙の主だと確信する。刀に手をかけ、茂みから飛び出した直後。
「まぁ待て、藤堂櫻」
 男は振り返り、右手を出して静止を呼びかけてくる。最初から気配を感じ取られていたのだ。櫻は、急に声をかけられ、たたらを踏み結局道路の前で止まった。
 道路を挟んで男と対面する。男は構えているわけではないのだが、どこにも隙はなかった。相当の手練だと、推測できる。そして、この男は橘家の人間とそのほか一部しか知られていない、櫻の秘密を知っているようであった。『藤堂』。それは、橘家へ養子にもらわれる前の苗字。彼女の本当の苗字。油断ならない。
「何者だ、貴様は?!」
 櫻の声が、静かな夜の空気を震わす。
「俺が何者であろうが、関係はなかろう。確かなのは、今行かなければ、二度と氷女沙夜には会えなくなるという事実だ」
 男は、商店街の方角を指差す。
 この男、一体何を――。
 馬鹿げていると否定しかけたその時、三日前水族館で感じた嫌な視線を、櫻は思い出した。男の目的がなんなのか分からないが、彼の言うことには一理ある。
 男と対峙しているよりも、確認しに行った方が確実。櫻はそう判断して、商店街の方へと走り出した。
 嫌な思いがさらに募っていく。
 こんな思いは、初めてであった。

「さて、始めるとするか」
 男は、静かに呟く。

第十三話 <終>


あ、終わった。十四話は、まだ執筆中。前後編で終わる予定が、前中後編となりそうな悪寒。なんてこったい。
明日の日記では、軽くお話をまとめたいと思います。
明日は夜勤か、朝頃だね。
2007年8月28日(火) No.309

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