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堕天王の逝く道
2007年9月
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なんか疲れたわぁ・・・
10月8日の件ですが、師長に泣きついてきました。メモ紙持って。交渉は成立です。多分、あれだけプッシュすれば大丈夫であろう。信じてますよ、師長。

てことで、今日の絵は、現在連載中の琥珀色の思いのチェイチェイです。かなり手抜き。いや、疲れて鉛筆を持つ気力もね・・・。それに構図もまったく。これ、ちゃんと頑張ったら草原で寝ているような絵になる予定でしたが、もう頑張れない。キツイや。色もついてないし・・・。でも、上手な人の絵は鉛筆でも上手である。凄い、と思う。私のは、技術をちょっとマネた程度のお粗末なものであるが、まぁチェイチェイはこんな感じだと私は思う。明るく清楚で、それでいて逞しいのが、チェイチェイなのだ。割と、チェイチェイは好きなんですよね。ちなみに、『チェイチェイ』というのは本名ではないのだよ。

 琥珀色の思い その8

「こんな所だからこそ残っておったのじゃろう。学者さん達の話に寄れば、オーツルファムの中では最古らしいな」
 よっこらせっと村長が立ち上がる。
「チェイチャイが教えてくれるはずさ。サファリス殿が知らない世界を」
 去っていく村長。残されたサファリスは、しばらくそのベンチから離れる事ができないでいた。
 家に戻ってからも、サファリスは考え続けていた。チェイチェイがこの村に来た八年前といえば、ササイルムラーで大規模な虐殺(ぎゃくさつ)が何度もあった年である。税率の大幅な上昇に、反旗を翻(ひるがえ)したものたちが、町ごと屠(ほふ)られたと聞いている。彼女は多分、そのときの数少ない生き残りなのだろう。戦争を経験していなさそうな雰囲気であったが、実は違っていた。彼女はきっと、なんでも内に溜め込むタイプなのだろう。だから、父親が亡くなっていても笑顔を作れるのだ。
「・・・この村で生きていくのも悪くはないと思う。だが、違うんだ。何か違う。俺は、何かを忘れている」
 もうずっと昔から、何かを失っていた。あったはずなのだ、共和国の思想のためとかそんな大きな風呂敷ではなく、もっと根本的な思いが。
 考え事しているうちに日が暮れ、チェイチェイが帰ってきてしまった。その日にあったことを心の中に押し込んで、彼女を微笑みで出迎える。
 食後、金槌を片手に持ち、チェイチェイが聞いてきた。
「あの、作業していいですか?」
「ん? 金槌で何をするんだ?」
 チェイチェイが、何かの形を象(かたど)った鉄の板を見せてくれた。
「お祭りに使うクラウンを作らないといけないの」
「自分で作るのか?」
「うん、その方が楽しいから」
 本当に芸が多彩な子である。
「俺に構う必要はない」
「ごめんなさい」
 チェイチェイは、金槌を振り下ろし始める。的確で、リズミカルな音が響く。実に慣れた手つきだ。
 小さな肩、小さな体――年は聞いていなかったが、まだ十代前半ではなかろうか。この子は、まだ幸せだと思う。戦争に巻き込まれていながらも、こうやって普通の生活が営(いとな)めているのだから。戦災孤児が嘆き、売られたり、実験に使われたりする様を何度も見てきた。何度見ても、気持ちがいいものではなかった。
 小さな閃き――そこに答えがあるような気がした。
 チェイチェイの後姿を瞼(まぶた)の裏に残しつつ、瞳を閉じる。また一日が過ぎていく。
2007年9月12日(水) No.323

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