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堕天王の逝く道
2007年9月
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UFO?
なんか父親が、『○○病院(私の勤務先)から宇美町の方に向かって飛んでいくUFOを見た人はいませんか? と、ラジオで言ってたぞ』とのこと。
ネットで探してみるが、特にそんなネタはない。なんだったんだろう。

今日は夜勤明けでした。で、明日は明け休みがなく日勤です。勤務の都合で仕方がないとはいえ、かなりしょんぼり。なので、帰ってきてから鬼のように眠っていました。

あとは、報告。あおねさんから、表紙のイラストが届きました。これで第三巻を無事に作れそうです。あおねさん、ありがとう。
これで新刊の材料は揃いましたな。


 琥珀色の思い エピソード

 二年後――。
 少しずつ復興の兆(きざ)しを見せ始めた、ササイルムラー共和国の首都エレミス。サファリスは、荷馬車に揺られつつそんな町を眺めていた。彼は、軍人を辞め、復興作業に身を費(つい)やしていた。今は、戦争で行き場を失った子供達の世話を主に見ている。今日は、買出しだ。馬車を繰る男は、サファリスの活動に賛同してくれている有志である。
 買出しは、色々な店を回る。大抵は、サファリスの活動に賛同してくれている所で、物を安く売ってくれる。時折、サファリスに面倒ごとを押し付けてくる事もあるが、それも仕方がない。しっかり受けて、報酬をもらう。ただ壊すだけだった軍人の仕事よりも、確かなる充実感がそこにはあった。
 最初の店にたどり着く。ここで買うのは、雑貨だ。大人数の子供達の世話を見ているため、色んなものが壊れる。壊れにくく、なおかつ扱いやすいものがあればベストである。その雑貨屋で、サファリスは普段見慣れない商品が置いてある事に気づいた。
「店長、ここはいつから装飾品とか置くようになったんだ?」
 ネックレスやイヤリングに腕輪。数は少ないが、出来のいいものが並んでいた。
「あぁ、ここ最近、女の子が共同農場にやってきてね、そこの子がこまごまとそういうのを作るんだよ。あんまりに綺麗だったから、ウチにも置かせてもらっている、てわけさ」
「へぇ〜・・・装飾品ね。名前は?」
「確か、シャ・・・あぁ、シャリーだよ。シャリー=フロウ」
 一瞬期待はしたが、名前は違った。まさか彼女がこの町に来ているのではないのかと驚いたが、世の中そう上手には出来ていない。
「一つ買っていかないかね?」
「いや、ウチのガキどもに見つかったらうるさいからな。遠慮しとくよ」
「お前の所も大変だな。今日も色々まけといてやるぜ」
「すまないな、いつも」
 必要なものを見繕って、店長に告げていく。そうしていると、外から少女の声が響いてきた。
「すいませ〜ん」
 小さな声だが、しっかりと届いてくる。店長の顔が、いきなり綻んだ。
「噂をすれば。よぉ、シャリーちゃん。今日は、何がいるんだい?」
 噂の彼女、登場である。その姿を一応見ておこうと振り返ったその時、サファリスの目は点となった。向こうも呆けた顔でこちらを見ている。
「・・・シャリー? それが本当の名前なのか」
「サファリス・・・さん・・・!」
 突然走り寄り、抱きついてくるシャリーという名の少女。少し大人びてはいるがそれはどこからどうみても・・・チェイチェイだった。
 泣きじゃくる彼女に戸惑いつつ、とりあえず頭を撫でるサファリス。その髪の感触が、なんとも懐かしかった。
「知り合いだったのか?」
 と、不思議そうにしている店長に、サファリスは告げた。
「俺の大切な人だ」
 琥珀のネックレスがチェイチェイの涙を跳ね返し、美しく煌いた。

 END
2007年9月19日(水) No.332

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