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堕天王の逝く道
2007年9月
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紅に燃える
天気雨だったのか、夕方外が紅に染まっておりました。綺麗でしたが、その後土砂降り、いわゆる『バケツの水をひっくり返したような雨』が降る始末。そして、窓を閉め忘れていた私の部屋は、浸水っと。電気系統まで浸水してなくてよかったよ、本当。

最近、VOCALOIDの初音ミクが、ニコニコ動画で大流行なんですが・・・私も、すっかり見ているだけで、幸せに浸っております。てか、職人さん達、頑張りすぎ。ミク可愛すぎ!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1058796(3Dの初音ミク)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1054388(歌う初音ミク)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1051497(感動巨編)
おまけで
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1066855(ドナドナ初音ミク)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1059390(フタエノキワミ)

ニコニコ見れる人は、どうぞ。萌え〜です。おまけは・・・笑ってください。
ふたえ、ふたえのきわみ〜、あぁー♪
登録してない人は、you tubeにも少しあるようです。→http://jp.youtube.com/

 琥珀色の思い その12

 四日後、村の祭事が始まった。フォロネの大森林地帯の中にある遺跡と村の中央の広場を、白い祭事用の衣装を身にまとった村人達が往復していく。遺跡へ今年の成果を伝え、遺跡からの恵みを村へと持ち帰る。そういう趣旨らしい。それが終わると、広場に大きな篝(かがり)火(び)が灯る。その背丈で、来年を占うらしい。始めてみるサファリスにはさっぱり分からないが、チェイチェイが『来年も豊作です』と言っていることから、そうなのだろう。
「チェイチェイ、よく似合っているよ」
 チェイチェイは驚き、そして頬を染めてはにかみ笑う。
「クラウンも上手に出来たな」
「そ、そうかな。あは、サファリスさんがそう言ってくれるなら、今まで一番の出来かも」
 小さな琥珀の宝石が三つ埋め込まれたクラウンが、篝火の炎を照り返している。いつにもましてチェイチェイの姿は、美しかった。
「チェイチェイ、ちょっといいか?」
 サファリスは、誰もいない所までチェイチェイを引っ張ってきた。並々ならぬ雰囲気に、緊張しているチェイチェイ。少しでも和らぐように、サファリスは微笑む。
「急に悪いな。でも、話しておかないといけない事があるんだ」
 そう切り出し、サファリスはポケットから少し古ぼけたお守りを取り出して、チェイチェイに手渡した。
「今までのお礼には少ないが・・・こんなお守りだが、俺を十年以上も守ってくれた我が母親のお守りだ。もらってほしい」
 チェイチェイが何か言おうとする前に、サファリスはもう一度言う。
「もらってほしい。君に」
 彼女の手を押し返し、そして告げる。
「ありがとう。俺は、国に帰る」
 チェイチェイの表情が変わっていく様が、サファリスの心を抉(えぐ)った。だが、もう止める事はできない。これが彼が導き出した答えなのだから。
「チェイチェイ、俺は・・・」
「いや」
 震える声で一言。
「チェイチェイ・・・」
「いやっ! どうして!?」
 今まで見せた事がないチェイチェイの姿に戸惑うと同時に、受け止める。彼女の本当の姿でもあるのだ。今までが――無理をしてきていただけなのだ。
「俺は、忘れていた決意を思い出した。だから、国に帰る」
 チェイチェイは、持っていたお守りをサファリスに投げつけ、走り去る。
「チェイチェイ!」
 追いかけようとも思ったが、追いかけてもどうしようもない事に気づきやめる。暗闇に消えていくチェイチェイの姿を見送り、お守りを拾って彼は荷物をまとめるためにチェイチェイの家へ戻った。
2007年9月16日(日) No.329

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