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堕天王の逝く道
2007年9月
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夜勤明けは、シンドイのぉ
初めて帰ってきてから一睡もしなかったぜぇ。
『DDD』を必死に読破してました。
http://www.amazon.co.jp/DDD-1-%E5%A5%88%E9%A0%88-%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%93/dp/4062836092
細かい説明は、なんか疲れるから興味がある人は辿って調べて。
読んでの感想。やっぱり上手いな。と思うが、時間軸はハチャメチャで付いていけません。困った。もう一回、1から読み直さないとダメなのか。面白いが、2度読む代物じゃないからな。


 『琥珀色の思い』 その4

 外に出て行くチェイチェイ。どうやらこの家の中には、台所なんていう便利なものはないらしい。周りが全て木である以上、家の中で火を焚くのは確かに危険である。
 改めて部屋を見渡してみる。とても生活感のある部屋といえば聞こえはいいが、女の子が住むにしては少し汚い印象。折り重なった麻の布製品、洋服の作りかけだろうか? しかしその横には、なぜか金槌と金属の板。ヤスリなんかも転がっている。他の場所には、竹の釣竿が五本ほど並んでおり、その横には様々な形のナタが三本転がっていた。まるで物置である。そんな中に、綺麗な白い布団が三セット。もう意味が分からない。とどめが、目の前に並んでいる熊、鹿、猫、鷹のヌイグルミだ。
「・・・なんだこの部屋は」
 統一感というものを、どこかに忘れてきたような部屋である。
 さて、朝食。壁に立てかけてあった机を置き、その上に並ぶじゃがいものスープにサラダにパン。朝食らしいといえばらしいが、いささか量が多すぎる。思わず、サファリスも呆気に取られていた。
「凄い量だな。いいのか?」
「うん。ほとんど、村の人がくれたものだから。まだまだ沢山あるから、遠慮なくどうぞ」
 村の人が――と聞いて、驚くサファリス。どこの馬の骨かとも知れない輩に、ここまでする義理はない。価値観というものが、そもそも違うのかもしれない。
 スープを口に含む。サファリスは、舌に残る痺れに『ん?』とうなる。
「これ、香辛料が入っているのか?」
「猪の肉の下味に使いました。辛いですか?」
「猪! この細かい肉か。初めて食うな。やっぱり、香辛料を使わないと臭いのか?」
「私は、ちょっと苦手です。大人たちは、そのまま焼いて食べていますが・・・」
 おぞましいとばかりに首を横に振る。こんな村で育ってはいるものの、割とデリカシーのようだ。
「香辛料とか、手に入るんだな」
 共和国でも市場に行けば買えるが、それなりの値段はする。一般市民が、毎日食べられるようなものではない。
「行商の人が定期的に来るんです。麻の服やテーブルクロス、琥珀の工芸品とかを作って交換してもらっているの」
 これで部屋の謎が一つ解けた。この部屋は、どうやら寝室と仕事場を兼ねているらしい。そう考えれば色々と納得がいくが、もう少し整理した方がよいのでは? というのが素直な感想だった。
「自分で作っているのか?」
「うん、村の人に教えてもらったから」
「器用なものだな」
 教えて出来るほど簡単なものではなかろう。元から才能があるのだろう。見た目はおっとりとした印象であるが、しっかりものでもあるようだ。そこで、ふとサファリスは気になっていたことを思い出し、彼女に聞いてみる事にした。
「ところで、親はいないのか?」
2007年9月7日(金) No.318

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