今日、夜勤でした。もうあと12分もしたら行かないといけない。日記を書くのを忘れる所でした。 といっても、今日は特に書くことがないので、小説だけ。
『琥珀色の思い』 その3
川の流れに浮きを浮かせ、たゆたう姿を楽しむ。魚は、釣れたら釣れたで。日々、怒声響き渡る戦場にいるため、静かな時間は貴重なのだ。その間に割り込む輩が一匹。 「あ、隊長、こんな所にいたんですか」 「ん? ギリアか。何か用か?」 一瞥さえしなかったのに、ギリアは嬉しそうに笑った。 「もう俺の名前、覚えてくれたんですね」 「部下の名前ぐらい、最低限覚えるだろう、普通」 「どうでしょうか・・・あんまり、名前で呼ばれた記憶がないですね」 ギリアは、苦笑していた。実際、彼のように部下の名前を全部覚えている方が珍しい部類であった。 「で、何か用か?」 「あ、グレマストン曹長が、缶蹴りをするから隊長を呼んで来いと」 「クソでも喰らえと言っておけ。俺は忙しい」 そこでギリアの興味の矛が、釣りへと移った。 「釣れるんですか?」 「さぁな。どうでもいい」 「・・・見ていていいですか?」 少し考え、言葉を紡ぐ。 「好きにしろ」
言葉の余韻と共に、目が覚めた。また暖かな日差しが降り注いでいる。どうやら丸一日、寝ていたようだ。 「おはよう」 部屋の隅で、縫い物をしていたチェイチェイが微笑む。彼女が持っている服、それはサファリスの軍服だった。 「おはよう。もしかして、繕ってくれているのか?」 「うん、あった方がいいと思いまして。完全に繕えるまで、もう少し待っていてください」 「本当に、何から何まで悪いな」 「困った時はお互い様です」 糸を噛み切り、サファリスの軍服を折り畳む。 「何か食べますか?」 「・・・そうだな。悪いが、頼めるか?」 まだ食事を食べたいという気分ではなかったが、そろそろ何かを食べておかないと、体が持たない。 「うん、少し待っていて」
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