ヤバイ、暑さだね。今年、クーラーを見送ったのが悔やまれる。無念。
短編小説、ちと煮詰まった感が漂っておりまして、全削除しました。ありゃ、構成からやり直しだな。 その代わり、『空白』の由紀子編第十五話・・・後半戦のプロットを練り上げようかと。本当は、短編でも書こうかと思ったのだが、ネタがニャイ。 由紀子・夏樹編は、十四話までがお膳立てみたいなものだったから、これからが大変である。予定じゃ、あと6話で終了のはずなんだが・・・前半が十四話なら、あと終わるのに十四話必要なんじゃないの? という思いに駆られて、焦る私。全20話を全28話にするわけにもいかんよ。いや、したくない。
あ、どうでもいいことだけど、琥珀色の思いですが、その3が二つあるのは、気のせいということにしといてください。マジで(泣。
琥珀色の思い その11
「サファリスさん、どうぞ」 「ん? おっ! もしかして・・・釣りか!?」 サファリスは、少年のように喜んだ。まさか大好きな釣りを、ここで出来るとは思っていなかったのだ。 「エサはどうするんだ?」 「自給自足ですよ。えいっ!」 と、石を蹴飛ばして、下に隠れていたミミズをひっ捕まえる。 「なるほどな。よし・・・!」 とりあえず餌を集める。チェイチェイから小さな籠を借り、その中へ収納。その後は、座り心地のよさそうな石に座って、竿を振る。ポチャンという音が、静かに響き渡った。チェイチェイも違う所で釣りを始めていた。 静かな時が流れ始める。聞こえてくるのは、水のせせらぎや鳥達の歌声ぐらい。サファリスが愛した時間が、今ここに最高の形としてあった。 チェイチェイと共に魚が釣れるたびに喜び、話を弾ませた。最初は離れた場所でチェイチェイも気付けばすぐ隣で竿を差していた。 楽しい時間だった。これほど楽しい時間はいつ以来だろうか。そう思えるほどに。 帰りは、サファリスが馬を繰り、チェイチェイが後ろへと座った。チェイチェイは最初はかなり拒否していたが、サファリスに強く押されて馬の繰り手を明け渡した。 チェイチェイみたいに走らせたりはしない。ゆっくりとチェイチェイの案内に従って馬を進めていく。背にくっついているチェイチェイの温もりを感じながら、サファリスは己の答えを導き出す。失っていたものは、やはりチェイチェイとあった。今は、すべて残らず心に刻んでおきたい。ここにいられる時間は、もう僅かしかないのだから――。
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