キツすぎて、フラフラしてきたよ。 最近、本当に体調がよくないわ。
今日、私の受け持ちの患者が心筋梗塞で別の病院へ旅立ちました。まぁ、もういい年だしな。しかし笑えるのが、私が頻脈に気付き、Drに報告したわけですが、『特変なし。様子観察』となった3〜4時間後の急変。あの奇妙な呼吸は、前兆だったんだなとか思ったんだが、Drには大したことはなかったのだろうか? てんかん発作を起こし、言葉を話さなくなり、常に閉眼状態だったから思い入れがあるわけでもないが、少し寂しいものがありますな。でも・・・意外に戻ってきたりして。不屈の生命力で、死に掛け状態から復帰した人が何人もいるからな・・・。
『琥珀色の思い』 その3
少女は、表情を曇らせた。それが全ての答え。助からないことは分かってはいた。だから、彼もその真実を静かに受け止める。そんな彼の前に、少女は青い麻の布で包まれた物を置いた。ゴトという音がしたため、金物か何かが入っているようだ。 「そのギリアさん? という人の持ち物です。お墓は、丘の上に作りました」 「・・・集めてくれたのか。それにお墓まで」 少女の心配りに、感動せずにはいられなかった。麻の布の中身は、ギリアが使っていた銃とギリアの妻の写真、それと汚れたお守りと遺書と書かれた封筒だった。 「ありがとう・・・これでアイツを故郷に連れて帰ることが出来る」 悲しみが広がっていく。ギリアと出会ったのは、二年ほど前の話。部隊の再編成があったときに、部下として配属されたのが彼だった。年もほとんど変わらず、生まれも近かったため、なにかと一緒にいることが多かった。明るく、快活な男だった。アニスとも婚約をしたばかりであった。 多くの仲間を失い、多くの幸せが砕け散る様を見てきた。しかし、慣れるということはない。心なんてなくなってしまえばいいのに――そう思わずにはいられないほどに。 「何か食べますか?」 「いや・・・今はいい。それよりも君の名前を聞かせてはくれないか? 俺は、サファリスだ」 「チェイチェイ」 「ん?」 発音が聞きにくかったため、もう一度促す。少女は微笑み、ゆっくりと名前を言う。 「チェイ、チェイ」 「チェイチェイ・・・こっち側の名前は変わっているな」 話していると、意識が一瞬くらんだ。体調は、そこまでいい方ではないらしい。その様子に気付いたチェイチェイ。 「もう休んでください」 と、心配そうに告げてきた。元より、これ以上は起きてはいられなかった。 「あぁ・・・わりぃ、少し眠る」 「優しい夢を」 初めてそんなことを言われた。 「あぁ・・・」 ギリアといた頃のことを思い出しながら、目を瞑る。いい夢が、見れそうな気がした。
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